2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the formation of the concept of ambiguity in psychiatric nursing, and the strategies for handling ambiguity
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25862249
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Research Institution | Toyohashi Sozo University |
Principal Investigator |
五十嵐 慎治 豊橋創造大学, 保健医療学部, 講師 (70610393)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 曖昧さへの態度 / 情動知能 / うつ / バーンアウト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、メンタルヘルスと関連のある曖昧さ耐性という概念を、曖昧と言われる精神科臨床の現象から捉え、①精神科看護師における曖昧さへの態度と精神的健康の実態を把握すること②精神科看護師の主観的体験を基に、曖昧さの認知、感情、対処といった特徴を明らかにし、精神科看護に即した概念を構築すること③適正に曖昧さと向き合うための具体的方略の確立に向けて示唆を得ることであった。 まず精神科看護職を対象とした無記名自記式の質問紙調査からは、重回帰分析の結果として、「情動の調節」と「職務効力感」が「曖昧さへの肯定的態度」に影響を及ぼしていること、「情動知能」と「職務効力感」には、「曖昧さの享受」が共通して影響していることが明らかになった。「曖昧さへの享受」を高めることが、情動知能向上やメンタルヘルス対策につながると考えられた。 次に、自由記述で得られたデータの質的分析を行った。キーワード分類法を参考に、原文データを吟味した上で、整形文を作成しキーワードを抽出、類似性に基づいてカテゴリー化を行った。650のキーワードを抽出し、精神科臨床に即した曖昧さの概念として、「精神科看護の醍醐味」「曖昧場面での否定的感情」「曖昧場面での肯定的感情」「曖昧場面への対処」などのカテゴリーを抽出した。さらに、概念として抽出された認知場面を基に、精神科看護職が肯定的態度、あるいは否定的態度の両側面を体験することが予測される曖昧さの事例を作成した。今後は、作成した事例を「曖昧さと向き合うプログラム」として活用し、信頼性、妥当性の評価を行っていく事が課題である。
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