2013 Fiscal Year Research-status Report
家族システムを活用した特定保健指導プログラムの開発
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25862254
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
桐生 育恵 群馬大学, 保健学研究科, 助教 (00448888)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 保健師 / 特定保健指導 / 家族システム / プログラム開発 |
Research Abstract |
国内の学会参加および文献から、特定保健指導の現状と課題について情報収集を行った。 特定健診・保健指導が開始された平成20年以降、特定健診・保健指導の実施状況は向上し、エビデンスが少しずつ蓄積され、定量的な評価も可能となってきている。複数の研究報告からは保健指導介入により、有意に改善したことも明らかにされ、全国的にもメタボリックシンドローム該当者数の減少など、一定の成果が見られている。しかしその一方で、非肥満者への対策の必要性等が課題としてあげられている。 平成25年4月から、新たに健康日本21(第二次)が開始され、その方針の一つに生活習慣病の発症予防・重症化予防が掲げられ、地域での生活習慣病対策の重要性が強く認識されている。生活習慣病予防対策を進めるうえで、特定保健指導は重要なアプローチであ り、今後のさらなる充実が期待されている。 国内の先行研究を見ると、保健指導の家族への効果を検討した研究は見当たらない。そのため、「家族」「影響」「相互作用」をキーワードにして検索すると、児の誕生に関するものや、発達生涯や疾患を有する児、がんや難病を抱える患者に焦点を当てたものが多く見られた。家族は、不安や自信等の情緒面の影響だけでなく、価値観やライフスタイル、家族役割の変化等の影響も受けていることが明らかにされている。さらに文献によると、家族には、危機的状況をともに乗り越える力である家族レジリエンスが予め備わっていると言われている。家族レジリエンス概念を特定保健指導に応用することで、保健指導受講者である「個人」の行動変容を目指すだけでなく、「家族」も含めて行動変容することが期待できるのではないかと考える。家族が受ける影響の観点や、家族レジリエンス概念を参考に、次年度の研究を遂行していきたいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成25年度の特定保健指導実施6か月後の評価時点を調査実施日としているため、施設毎の評価の時期を把握するのに困難を要した。さらに、一施設における特定保健指導の対象者数が少なく、対象者数の確保も課題であった。
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Strategy for Future Research Activity |
①特定保健指導受講者から、家族は健康に関する影響を受けているのかを知るために、群馬県内の市町村、事業所、健診機関等で、平成25年度に特定保健指導実施6か月後の評価を受けた者とその家族 約300組に、行動変容の有無とその内容、家族に対する特定保健指導についての情報伝達、家族のサポート、保健指導受講者から受けた影響の有無等について、無記名自記式質問紙調査を実施する。 ②「保健指導受講者から受けた影響」が「有」と回答した者で、インタビューの協力「可」と回答した者約10人に対し、特定保健指導受講者から受けた健康に関する影響と、何に影響されたのか、どうして影響されたのか、その「きっかけ」や「理由」について、半構成的面接調査を実施する。 当初の予定では、①を平成25年度に実施する予定であったが、平成26年度に①と②を実施することとし、①実施後速やかに②を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究遂行の遅延。 平成25年度に予定していた調査を、平成26年度の調査とあわせて、平成26年度に実施する予定である。
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