2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25862261
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
湯川 裕美 (宇野 裕美) 宮崎大学, 医学部, 助教 (10566417)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 発達障がい / 産業保健 / メンタルヘルス |
Research Abstract |
平成25年度は、研究の目的に沿って、まず、職域でのメンタルヘルス不調に関する復職支援に焦点をあてて、産業看護職の役割及び連携について研究結果をまとめた。その結果から産業看護職が感じている復職支援の困難感や地域で求められる社会資源とその役割が示唆された。 本研究の中心となる課題は、職域でのメンタルヘルス不調、その中でも発達障がいが疑われる事例への職域での認知度や支援の在り方を検討することである。平成25年度は、メンタルヘルス不調全般の復職支援について焦点を当てて研究したが、そのなかからも本研究の目的である発達障がいが疑われる事例への対応の困難感が導かれ、そのような事例への復職支援に対しても、産業看護職は地域の様々な資源をとらえ、連携して支援していく必要性が示唆された。地域における資源とは、具体的に「職場復帰を目指す意思を持った本人」「本人の支えとなる身近な支援者」「地域でつながりあえる専門職・専門機関」「適切な治療とその継続を行う精神科主治医」「事業場内メンタルヘルス対策の支援システム」「的確な対象把握と継続的な支援を行う産業看護職」の6つであった。 さらに発達障害に焦点を当てて、文献検討を行い、「大人の発達障がい」に当てはまると考えている労働者が多いこと、そしてそれを理解する必要があると考えている精神科医も多いことが判明した。しかしそれに関するテキストもなく、多様な発達障がいの就労相談があること、そして、発達障がいの診断を受けていない人が過半数を超えることが現状としてあることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は、産業看護職や人事労務担当者を対象に調査票を用いて職域の発達障がいに関する認識について質問紙調査を行うとしていたが、まずは職域のメンタルヘルス不調について全体像を把握するため復職支援に焦点を当てて産業看護職を対象に、発達障がいが疑われる事例への困難感や支援の在り方を示した。そのため人事労務担当者や産業看護職を対象に発達障がいへの認識については焦点を当てて調査をしていないので、次年度の課題とする。
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Strategy for Future Research Activity |
成人期の発達障がいについて、統計的背景を理解し質問紙調査の項目を検討したため、それをもとに、人事労務担当者に対して認識を調査し面接調査を行う。また、同時に産業看護職に対しても同様に質問紙にて調査を行った後面接調査を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
質問紙調査を実施する予定であったが面接調査のみであったため、次年度使用額が生じた。 次年度質問紙調査にて用紙、封筒、切手及び調査項目の入力に人件費として支出する。
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