2013 Fiscal Year Research-status Report
地域包括支援センターの保健師等が一人暮らし高齢者に行う支援内容の構成要素の抽出
Project/Area Number |
25862264
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
多次 淳一郎 三重県立看護大学, 看護学部, 助教 (60632205)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 一人暮らし高齢者 / 地域包括支援センター / 保健師 |
Research Abstract |
平成25年度は調査実施に向け、研究枠組みの修正と調査項目の選定を目的として,文献検討を行った. まず高齢者の状態像が多様であることをふまえ,本研究の目的に照らして,地域包括支援センターの保健師等(以下,保健師等)が支援の中心的役割を担う介護保険法における虚弱高齢者レベルに焦点を当て文献検索を行った.20編を分析対象として,要介護認定未認定の一人暮らし高齢者の自立生活継続に関連する要因を検討した結果,【体調の安定】として『疾患の良好な管理』・『加齢による機能低下の抑制』,【生活基盤の安定】として『日常生活の安定』・『経済的な安定』,【安全の確保】として『緊急時対応策の確立』・『将来の見通しの明確化』,【人的ネットワークの維持】として『日常的に行き来のある交友関係の維持』・『別居家族との良好な関係の維持』の4側面8要因が抽出された. 次に,保健師等が行う個別支援の特徴を他職種による支援と比較して整理した.8編を分析し,個別支援での連携相手は医療関係者が他職種よりも多いこと,保健師資格所持者(以下,保健師)のほうが看護師資格のみ所持者よりも専門性が発揮できると認識する者が多く,区組織・役員と連携した支援対象者の把握と継続支援を行っていることが確認された.しかし一人暮らし高齢者に対する支援については他職種を含め事例研究に留まっており,保健師等による支援の実態は確認することができなかった. 以上の結果から,一人暮らし高齢者の自立生活継続を可能とするために必要な予防的支援活動を検討するために,次年度は上述の4側面を枠組みとして保健師が行う対象者の把握と支援の実際について調査を実施することとした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では、本年度中に研究機関での倫理審査受審まで行う予定であったが、次年度に繰り越した。ただし、受審後速やかに調査を実施する予定であり、計画自体は修正なく遂行できる範囲である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は政令市および特別区の地域包括支援センター保健師等を対象に一人暮らし高齢者への支援についてのアンケート調査を実施する。同時に一定経験を有する保健師をリクルートし、平成25年度に行った文献検討をもとに作成したインタビューガイドを用いて個別インタビュー調査を実施予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究枠組みの作成と調査項目の選定に重点をおき、調査を次年度に実施する形に計画修正を行ったため。 アンケート調査に罹る事務経費および分析にかかる統計ソフトの購入、およびインタビュー調査にかかる旅費、謝金として使用予定である。また情報収集のための学会参加費・旅費としても使用予定である。
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