2015 Fiscal Year Research-status Report
就労者の日常の出来事とストレス回復力に応じた糖尿病予防教育プログラムの開発
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25862268
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大谷 喜美江 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (30507843)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Daily Uplifts / Daily Hassles / レジリエンス / 保健行動関連要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は26年度の調査対象者へフォローアップ調査を行い、得られた結果をもとに縦断的な検討を行った。また、平成26・27年度に行った調査のより詳細な分析を進め、保健行動と関連要因の関係を検討し、学会等で成果の公表を行った。 インターネット調査による縦断的検討の結果、現在の飲食量調整には、過去の日常いらだち事の量やストレス時の飲食行動が関係していた。例えば、「腹八分目を心がけている」の実践には、食生活の改善に関する行動変容ステージが高い、気分転換によるコーピング行動の実践、日常いらだち事の量が少ない事などが影響していた。また、過去の健診結果で肥満の改善を指摘されたとの自覚者は食生活に関する行動変容ステージが高い者の割合が多かったが、過去のBMI値による肥満/非肥満の二区分と食生活に関する行動変容ステージには関連を認めなかった。これらのことから保健行動の実践につながる保健指導のためには、日常いらだち事やコーピングスタイルを含めて把握する必要があり、さらに単に健診結果を返却するのではなく結果が持つ意味を当事者が自覚できるようにフィードバックする必要性が伺えた。 インターネット調査の横断的検討からは、間食しない・運動実施・適正体重維持・適正睡眠・腹八分目の実践という保健行動の未実践者で日常いらだち事得点が高いこと、実践保健行動の総数にレジリエンスやDaily Upliftsが関係していること、朝食摂取・間食しない・野菜摂取を心がけているとの食事関連の保健行動実践者には配偶者のいる者の割合が多いことが明らかとなった。保健行動の実践を支援するためには、日常いらだち事の把握だけでなくレジリエンスやDaily Upliftsの把握、さらには食を支援する配偶者からのソーシャルサポートの有無を考慮した保健指導が必要であることが伺えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度および27年度に実施した調査研究の分析結果全体を統合したまとめや考察を十分に実施できておらず、糖尿病予防教育プログラム(暫定案)の作成にについても未着手であるため、やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、これまでに実施した研究の総括および得られた結果から考える糖尿病予防教育プログラム(暫定案)の作成・立案を行う。 なお予算および時間的な限界から、本研究では暫定的な糖尿病予防教育プログラムの立案までとし、効果検証は別途独立した研究として今後検討していくこととする。
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Causes of Carryover |
研究結果を統合した分析や学会発表・論文投稿などが未実施であり、これを平成28年度に実施する必要があるため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究結果を統合した分析や学会発表・論文投稿等に次年度使用額を充当する予定である。
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