2014 Fiscal Year Annual Research Report
ライフラインLCC低減への地盤工学的アプローチ:「柔な」複合型地盤改良と長期予測
Project/Area Number |
25870007
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西村 聡 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70470127)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 泥炭 / パイプライン / 沈下 / 長期管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
泥炭地において地表近くに設けたガス管等の埋設管が長期的に沈下を被り、ひずみ緩和などの維持管理作業に多大なコストが生じている現状を踏まえ、その沈下メカニズムを検証した。まず、約17kmに渡り埋設されている実際の管に沿っておよそ200地点で18年間計測されてきた沈下記録の図化と、それを地盤情報データベースから再構築した泥炭層厚マップと比較することにより、実際に泥炭地では沈下量が大きい傾向を確認した。有効単位体積重量が非常に小さい泥炭を掘削し、管の埋設後に砂で埋め戻しを行うことが沈下の大きな要因と疑われたため、泥炭特有の圧密変形特性とこの載荷メカニズムがどのように関連して長期沈下・地盤変形を引き起こすかを、低縮尺長期重力場模型実験・長期三軸試験を実施して調査した。その結果、実際に観測されている沈下量のおよそ半分程度は上記の理由により説明できることがわかった。PIVによる画像解析の結果、埋め戻し直下の泥炭は非常に限られた側方流動を示し、あたかも一次元圧密のように圧縮されることが確認され、埋め戻し部位の大きさに対し、地盤変形がどの程度の範囲に及ぶかが観察された。観測された圧密沈下は、通常の圧密試験から得られる圧密係数を用いた一次元圧密理論から推定されるよりもはるかに長い時間をかけて進んでいるように見られた。弾塑性有限要素解析を行った結果、この現象は圧密係数を応力レベルに応じて低減させていくモデルの適用により再現できた。ただし、さらに長期的な挙動説明には時間依存モデルが必要である。以上より、沈下対策としては埋め戻しの軽量化が最も合理的であると結論付けられる。しかし、広域沈下などに由来すると考えられる残り半分の(不同)沈下に対する局所ひずみ軽減の方策として、マスとしての軽量固化処理土ではなく、圧縮性粒状処理土に着目し、強制変位を受ける管周囲でのその地盤反力軽減性能について知見を得た。
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Research Products
(4 results)