2013 Fiscal Year Research-status Report
肝臓癌を発症させるB型肝炎ウイルス核酸による自然免疫応答制御の分子機構
Project/Area Number |
25870015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 精一 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (60459724)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | インターフェロン / サイトカイン / 自然免疫 / B型肝炎ウイルス / HBV |
Research Abstract |
本研究では、B型肝炎ウイルス(HBV)の自然免疫認識機構を同定する事を目的に、肝がん細胞株(HepG2やHuh-7)、ヒト肝細胞のキメラマウス、初代ヒト肝細胞を利用して解析を進めた。その結果、解析したHBV Genotypeの中で、Genotype Cの核酸がヒト肝細胞においてHBV感染によりインターフェロン(IFN)やサイトカイン誘導を強く引き起こす事が観察された。また、HBV感染時のセンサーを同定するために、siRNAによるノックダウンの系を用いた結果、Retinoic acid-inducible gene I (RIG-I)を介してIFNs誘導を引き起こすことが示された。さらにHBVの由来のRNA、特にpre-genomic RNA (pgRNA)がRIG-Iのリガンドであることが示された。中でもウイルスタンパク質と結合することが知られていた62-mer領域をRIG-Iが認識していることが明らかとなった。さらに検討を進め、RIG-Iは、62-mer領域を認識し自然免疫応答を活性化するのみならず、HBVタンパク質を阻害するという直接的な抗ウイルス因子としての新しい役割を担っていることも見出した。これらの結果に基づいて、リポゾームにloadさせた62-mer RNAを作成し、ヒト肝細胞のキメラマウスを用いたin vivoの実験を遂行させ、62-mer RNAの治療応用の可能性を証明する事ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、HBV核酸センサーの同定ならびに下流のシグナル伝達の解析は達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の年次計画に沿って計画を推進することができるものと考えている。
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