2015 Fiscal Year Annual Research Report
Death Receptor 6を介した末梢免疫細胞間相互制御機構の解析
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25870017
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤倉 大輔 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 特任助教 (70547794)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | death receptor 6 / T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの先行研究結果から、DR6はTNF受容体ファミリーに属し、末梢T細胞の活性化抑制因子と目されるが、その特異的刺激因子を含めて、分子機能の詳細及び疾患との分子レベルでの関連においては不明な点が多い。これまでの検討から、申請者はDR6結合分子(DR6 ligand, DR6L)の探索と同定、DR6/DR6L結合のT細胞シグナル活性化における機能解析を行った。さらに、疾患モデルマウスにおけるDR6発現細胞の出現を確認した。また、作成した抗DR6抗体の投与は疾患発症に対して抑制的効果を持つことを見出した。一方、この疾患モデル動物において、DR6Lは疾患特異的に末梢B細胞上に発現されるものの、疾患の進行に伴って、むしろ抑制されることが見出された。このことは、疾患発症初期においてはDR6/DR6L機構による末梢T細胞の抑制誘導がなされるが、疾患の進行に伴ってDR6/DR6L機構が何らかの負の制御を受け、抗DR6抗体の投与はこれを補うことにより治療効果をもたらすことを示唆する。また、血清サンプルを対象とした解析結果から、疾患発症に伴う血中の遊離DR6L濃度亢進が見出された。このことから、DR6Lの発現抑制は疾患特異的なDR6L切断機構に起因することが示唆された。これまでの報告から、幾つかの膜結合型メタロプロテナーゼ(MMP)がDR6Lに対する切断活性を有することがin vitro実験系を用いた解析により見出されている点で、疾患発症とこれらMMPとの関連性が注目される。以上の研究成果に基づいた原著論文原稿を作成し、国際学術雑誌に投稿している。
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Research Products
(1 results)