• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2014 Fiscal Year Research-status Report

新生児ヘルペスにおける抗炎症的治療介入に関する基盤研究

Research Project

Project/Area Number 25870028
Research InstitutionAsahikawa Medical College

Principal Investigator

長森 恒久  旭川医科大学, 医学部, 助教 (40400098)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords単純ヘルペスウイルス / 増幅効率 / COX2阻害 / 抗ウイルス作用 / ProstaglandinI2 / ProstaglandinI2 / cyclipAMP
Outline of Annual Research Achievements

A)アラキドン酸カスケード反応とHSV増幅効率の関係性
1) HSV感染によるcyclooxygenase(COX)-2誘導:HSV感染ヒト線維芽細胞においてcyclooxygenase(COX)-2は12時間をピークに発現亢進した.2) HSV感染細胞にCOX-2阻害作用のあるNS-398及びIndomethacin(:インドメタシン)を培養上清に添加するとdose dependentにウイルス増殖効率が低下した。また,COX-2下流のProstaglandinE2(PGE2)及びProstaglandinI2アナログであるberaprost(:ベラプロスト)共投与すると条件では,インドメタシンの抗HSV作用が減弱した.また,plaque reduction assayではインドメタシンにアシクロビルとの相加作用を確認した。
B)HSVのアラキドン酸カスケード反応利用に関するメカニズムの評価
COX-2阻害による抗HSV作用のメカニズムを明らかにするため,増幅効率を律速するimmediate early(HSV-IE)発現量の変化を解析した。5μMのインドメタシン投与では0.1μg/mlのアシクロビル添加に比較してもIE発現が低下した。またPGI2受容体(IP)は1つのサブタイプ,PGE2受容体(EP)は4つのサブタイプ(EP1,EP2,EP3,EP4)を持つ.EP1~EP4のantagonistによるHSV増幅修飾を解析したところ,EP3とEP4阻害でHSV増幅効率が低下した。また細胞内のcAMPを上昇させるForskolinを添加するとHSV増幅効率が増加しウイルス量の増加を認めた。以上から,HSVは自身の感染に伴って増加するPGI2からIP,及びPGE2からEP4を介し細胞内cAMPの上昇を何らかの形でその増幅効率増加に利用できる事を明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

HSV増幅と感染細胞内環境の細胞内シグナル伝達を介したIE発現の修飾による関連性を評価し,重症HSV感染症における抗炎症的治療介入の可能性を検討する事が本研究の目的である。その中で,アラキドン酸カスケード反応に着目しHSV感染に伴い発現するCOX-2の下流のプロスタノイドであるPGE2,PGI2をHSVが利用して自身の増幅効率を促進する機能を持つ事を明らかにした。また,そのシグナル伝達としてcAMPをセカンドメッセンジャーとするシグナルがおそらくHSVIE発現の修飾を介してHSV増幅効率に関連する事も明らかに出来,一定の成果をみた。
しかし研究計画ではin vitroで候補薬剤の同定を行ない,ex vivo あるいはin vivoでの作用確認に入る予定であったが,再現性の確認,メカニズム解析等に計画当初以上の時間,労力をかけた。理由としてはvivoの重症HSV感染モデル作成に施設内での確立が無かったため,またCOX-2阻害による抗HSV作用に関しては,複雑な下流のプロスタノイド作用との関連を検討する必要があったため等が挙げられる。

Strategy for Future Research Activity

PGE2受容体サブタイプの解析はアンタゴニストでの解析からしか行なえていない。PGE2受容体サブタイプのなかでEP4,EP3抑制でHSV増幅効率が低下することに関して,EP3では本来cAMPを低下させるはずであり,まだ矛盾が解明出来ていないままである。各EPのノックアウトマウスから線維芽細胞や単球系骨髄細胞を抽出し,HSV増幅効率の変化を見るべきであり,施設内でその準備を進める。また,cAMPから自然免疫系の炎症反応とHSV-IEの発現修飾変化をどのように証明するべきかにもさらに詳細なシグナル解析を要するものと考えている。
その上でin vivoのHSV感染系を確立し,より臨床に近づく知見を得る方向で今後も研究を継続していきたいと考えている。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 単純ヘルペスウイルス増幅効率と宿主アラキドン酸カスケードの関連2014

    • Author(s)
      長森 恒久
    • Organizer
      北海道小児感染症研究会
    • Place of Presentation
      札幌市
    • Year and Date
      2014-10-20 – 2014-10-20

URL: 

Published: 2016-06-01  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi