2013 Fiscal Year Research-status Report
容姿を原因に拒絶されることへの過敏性と身体醜形懸念の関連についての生涯発達的検討
Project/Area Number |
25870030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
田中 勝則 弘前大学, 教育学部, 講師 (10510969)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 容姿 / 拒絶過敏性 / 身体醜形懸念 / 生涯発達 |
Research Abstract |
本年度は容姿を理由に他者から拒絶されることへの過敏性を評価するためのアセスメントツールであるAppearance-based Rejection Sensitivity Scale(ARS scale)の日本語版の開発に着手した。ARS scaleの開発者であるPark, L博士より日本語版作成の許可を得ることができた。アセスメントの簡便性を考慮し,本研究では現在研究で利用されている同博士らによる短縮版ARS scaleを日本語版として開発することとした。 短縮版ARS scaleは報告者を含む臨床心理学者複数名によって,英語から日本語への順翻訳が行われた。順翻訳された日本語版ARS scaleは専門の翻訳業者によって,英語へと逆翻訳が行われた。逆翻訳された英語表現に関してはPark博士に依頼し,内容の確認を行った。同博士からの指摘に基づき,日本語表現の修正を重ね,暫定日本語版ARS scaleとした。 日本語版ARS scaleの信頼性と妥当性を検討することを目的として,本研究では2回のweb調査を実施した。1回目の調査では全国の20歳から69歳までの男女520名が日本語版ARS scaleおよび妥当性を検証するための質問項目に回答した。2回目の調査では,1回目の調査に協力した者のうち110名に対して日本語版ARS scaleへの回答を求めた。サンプリングの際には男女比および年齢比の統制を行った。 統計解析の結果,日本語版ARS scaleはARS scale原版と同様に一因子構造を示し,十分な内的整合性および再検査信頼性を有することも確認された。更に,複数の関連指標との間でも有意な相関が認められたことから妥当性も十分であることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、日本語版の質問紙の開発が順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は昨年度に開発した日本語版ARS scaleを活用し,容姿を原因に拒絶されることへの過敏性と身体醜形懸念との関連について,生涯発達的な視点から検討していくために、webによる全国調査を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査の実施に際し,当初計画よりも若干費用が高騰したため,次年度以降の予算より前倒し支払い請求を行った。その残額が次年度使用額として計上されている。 当初計画通り、2年目の調査や論文校閲及び旅費等に充当する計画である。
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Research Products
(10 results)