2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25870031
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
日比野 愛子 弘前大学, 人文学部, 講師 (00511685)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 合成生物学 / 細胞デザイン / 生命観 / 科学社会学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、細胞デザインにおける科学者の生命観を明らかにすることである。近年注目を集める合成生物学は、作ることによって生命を理解しようと試みるもので、デザインがすなわちサイエンスとなる。細胞のデザインにおいて優勢な視点として、一般的なイメージにもとづく「生命らしさ」と、生物学から定義される「生命の要件」の2つがあることを仮定し、両者がどのように関係しているのかを明らかにすることを試みた。平成27年度は、研究者コミュニティへの文献調査、観察調査、インタビュー調査を通じて、日本国内の研究コミュニティの特徴を明らかにしてきた。結果、細胞デザインにおいては、1)上記の軸(2タイプ)に加えて、「改変型」、「創造型」という軸があること、2)日本のコミュニティにおいては半数以上が「手法開発」のため研究を行なっていること、3)細胞の部品やシステムを作るねらいが、現象解明ではなく、別の部品やシステムを作るための道具開発であることも多く、分野自体が萌芽期であること、4)結果として、コミュニティレベルでは対象とする生命(観)がきわめて細分化されており、人工細胞(生命観)の統合化への志向性はうすいこと、5)少数のラボラトリーでは、動き・形状からなる生命らしさと、生命の要件を結びつける認識枠組みをもっていることが明らかとなった。一般の人々における生命への認識が、日本と欧米で異なっているという先行研究の知見を踏まえるならば、今後の研究の展開にあたって、科学専門家の認識についても国際比較の視点をとりいれた量的・質的調査が必要である。
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