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2013 Fiscal Year Research-status Report

カメラ映像を用いた血圧変動成分の非接触計測に関する研究

Research Project

Project/Area Number 25870044
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

杉田 典大  東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90396458)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywords血圧変動 / 脈波伝搬 / 高速度カメラ / 非接触計測
Research Abstract

本研究では,通常のカメラなどで撮影した皮膚表面の動画像から,圧センサなどの装着を一切必要としない,完全非接触での血圧変動推定を行うための手法確立を目的としている.
具体的には,動画から脈波の伝搬情報を抽出し,その速度が血圧変動と相関するという性質を用いて推定を行う.皮膚表面の動画像については,550nm周辺の緑色光信号が脈波の情報を強く反映していることが先行研究で報告されている.本研究では,動画像から緑色光の信号を抽出する際のアルゴリズムを工夫し,周辺光の影響を極力低減させることを目指した.また,血圧情報をより強く反映している注目領域(ROI)を自動的に選択するためのアルゴリズム開発についても検討を行った.
本年度の研究では,まず初めに,測定機器の選定および,実験システムの構築と調整を行った.安静状態の被験者に対して,正面から顔をカメラで動画撮影し,周辺光の影響や被験者間のバラつきなどの基礎的なデータを収集する実験を実施した.その結果,顔表面の血流パターンは極めて複雑であり,周辺光や被験者のわずかな動きが推定精度に与える影響も当初想定していたよりも強く現れることが分かった.
次に,周辺光や体動の影響をほぼなくした状態で顔面の血流パターンを捉えることを目的として,LEDおよび光受光素子が一体となった小型のセンサを顔面上の複数の箇所に直接装着し,カメラで撮影した動画像と比較する実験を行った.その結果,額と頬などの2点をROIとして選択し適切な信号処理を施すことによって,血圧変動とある程度の相関をもつ信号が得られることが分かった.しかし,適切なROI設定や推定精度については被験者間のバラつきが大きく,再現性もあまり高くはなかった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

顔面の皮膚映像を撮影する際に周辺光や体動がアーチファクトとして混入するが,その影響が当初想定していた以上に強く現れることが分かり,実験環境を構築した後,さらに計測機器などの調整を行うのに多くの時間を要した.
また,動画を撮影するための機器や動画像の解析アルゴリズムに関する情報収集などを行うのに,当初予定していたよりも多くの時間を要した.

Strategy for Future Research Activity

周辺光の影響が少なくし,かつ皮膚の表層より少し深い部位における血流を解析するため,850nm周辺の赤外光領域の信号を対象とした解析を検討する.
この予備実験として,850nm周辺の赤外光映像を撮影できる装置で被験者の顔面を撮影する実験を実施し,550nm周辺の緑色光映像とは異なる情報が得られる可能性があることを確認した.しかし,予備実験では測定の際に顔面に照射した赤外光の出力が小さかったため,センサを直接装着した場合や皮膚表面で得られる脈波と比べると波形に含まれる高周波成分が少なく,伝搬時間のような高い時間分可能を必要とする解析法を適用するには不十分である.
今後は,赤外光の出力を自由に変化させることのできる照射器を用いることで,光の照射量を制御する実験を実施する予定である.これにより,例えば,異なる深さの皮下組織から得られる脈波情報を統合した解析などを行うことができる.
これに加え,複数ポイントにおける脈波波形の情報量から,血圧変動を推定するのに最適なROIを抽出するための方法についても具体的な解析を行っていく予定である.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

備品として導入する予定であった高速度カメラについて,解析上必要なスペック等を実験系構築の過程において再検討し,改めて機種選定を行った結果,当初予定していたものよりコストを抑えた機器を使用できることが分かったため.
次年度実施する実験の消耗品として使用する予定である.

URL: 

Published: 2015-05-28  

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