2014 Fiscal Year Research-status Report
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25870046
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 隆輔 東北大学, 大学病院, 講師 (80400274)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 新生児 / 血圧 / 疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、胎生期、新生児期の環境要因が高血圧等の生活習慣病と関連するという報告がなされており、新生児期の血圧の高低も後の高血圧発症に関連すると予想される。しかしながら、現時点では日本人に対応した新生児期の血圧を含む生活習慣病の標準的な指標は存在しない。また、血圧は意識状態によって変動するが、新生児の意識状態は特に変化しやすい。 2007年以降に宮城県岩沼市のスズキ記念病院で出生した、重篤な先天性疾患および新生児仮死のない、測定時の意識状態が明記された3155人を対象とした。血圧値には生後5日以内に測定精度が検証されている自動血圧計(Dinamap Pro 100、GE Healthcare)によって測定された上腕血圧を用いた。また、測定中の意識状態と血圧値との関連を検討した。意識状態は、深睡眠、浅睡眠、傾眠、覚醒、覚醒体動、啼泣に分類した。 対象者の51%が男児であった。平均在胎日数は277.5±8.5日、平均出生体重は3075.5±378.5gであった。生後3.0±0.4日に測定された収縮期血圧は70.2±7.4mmHg、拡張期血圧は44.0±6.6mmHgであった。意識状態による収縮期血圧は、深睡眠68.4mmHg、浅睡眠70.7mmHg、傾眠70.8mmHg、覚醒71.8mmHg、覚醒体動74.9mmHg、啼泣75.4mmHgであり、有意な群間差が認められた。同様に、拡張期血圧は、深睡眠42.1mmHg、浅睡眠44.3mmHg、傾眠44.4mmHg、覚醒46.1mmHg、覚醒体動48.4mmHg、啼泣44.9mmHgであり、有意な群間差が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は、研究に協力していただく病院で本研究開始時までに蓄積された約5000組の母子のデータ解析を予定していたが、データ解析を進めている途中で、蓄積されている初期のデータに対象者の意識状態や、両親の情報等が一部欠損していることが判明したため、計画を変更してさらに母子のデータ約1000件を追加して解析することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
データを追加し、改めて新生児の血圧を解析する。特に、新生児の意識状態と血圧との関連性や、両親の既往歴等と血圧との関連を検討する。
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Causes of Carryover |
当初は、研究に協力していただく病院で本研究開始時までに蓄積された約5,000組の母子のデータ解析を予定していたが、データ解析を進めている途中で、蓄積されている初期のデータに、対象者の意識状態や、両親の情報等が一部欠損していることが判明したため、計画を変更して、研究期間中に出生した母子のデータ役1,000件を追加して解析する必要が生じたため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記のため、追加して解析する新生児血圧と両親の情報との関連の検討と、その結果の学会発表および論文発表を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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