2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25870046
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 隆輔 東北大学, 大学病院, 講師 (80400274)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 血圧 / 新生児 |
Outline of Annual Research Achievements |
胎生期、新生児期の環境要因が高血圧等の生活習慣病と関連するという報告がなされており、新生児期の血圧の高低も後の高血圧発症に関連すると予想される。しかしながら、現時点では日本人に対応した、新生児期の血圧を含む生活習慣病の標準的な指標は存在しない。また、血圧は様々な要因に影響されるが、新生児期の血圧に影響する要因は明らかではない。そこで2628名(男児50.2%)の新生児血圧を解析し、血圧に影響する要因を検討した。平均収縮期血圧は70.5±7.4mmHg、拡張期血圧は44.3±6.7mmHgであった。血圧に性差は認められなかった。出生児体重、分娩様式、測定時の意識状態が血圧と関連した。 また、新生児血圧の上下肢差は、大動脈縮窄症をはじめとした先天性疾患の発見に役立つと考えられるが、日常診療ではほとんど測定されていない。そこで上下肢血圧を測定した3188名(51%男児)を対象として、上下肢の血圧差と、上下肢差に影響する要因を検討した。平均在胎週数は39.6±1.2週、平均出生児体重は3077.8±383.5gであった。平均上腕血圧は70.4±7.6 / 44.2±6.7 mmHg、平均下腿血圧は69.8±7.4 / 43.6±6.8 mmHgであり、上腕血圧の方がやや高値であった。また、上腕血圧と下腿血圧の差(上腕血圧-下腿血圧)は、0.6±6.5 / 0.6±6.2 mmHgであり、この差は有意であった(p<0.0001)。出生児体重が低い、在胎週数が短い、Apgarスコアが低いと出生児血圧の上下肢差がマイナスとなり、血圧の上下肢差は新生児の成熟度と低酸素や虚血を反映することが示唆された。
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