2014 Fiscal Year Research-status Report
土壌有機物の分解・無機化がセシウム137可給性に与える影響評価
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25870049
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新井 宏受 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20642078)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 放射性セシウム / 土壌有機物 / 分解・無機化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、植物に対する潜在的な放射性セシウム供給経路となりうる土壌有機物の分解・無機化と放射性セシウムの可給性の関係を明らかにすることを目的とする。福島県飯舘村で隣接して存在する水田及び畑から0-5cm、5-10cmの2層をそれぞれ3地点から採取した。採取した土壌は実験室に持ち帰り、継続して1年間の実験室培養に供した。培養土壌は、(1)水抽出、(2)酢酸アンモニウム抽出、(3)過酸化水素水処理画分、(4)残留土壌、に分画した。分画した各画分をGe半導体検出器を用いて放射性セシウム濃度を測定した。各画分の放射能測定結果から、1年に渡る培養期間を通して可給性放射性セシウムは一定程度常に存在していた。特に、酢酸アンモニウムにより抽出されるイオン交換態放射性セシウム量が、水溶性・有機物吸着態放射性セシウム量よりも顕著に多かった。また、水田と畑地を比較した場合では水田で高い放射性セシウム量を示したことから、土地利用様式の違いがその後の放射性セシウム動態に影響を及ぼす可能性が考えられた。さらに、同一地点で再度採取した土壌を用いて植物種を播種し、これらの可給態放射性セシウムが植物の成長に伴って、植物体内へと吸収されるのかどうかについての試験を継続して行っている。現在も継続して行っている植物栽培試験の結果と合わせて考えることで、植物ー土壌間での放射性セシウム動態を制御する要因及びメカニズムを明らかにする事が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
植物栽培を伴った試験を本年度中に終了させる予定であったが、土壌培養試験の結果から1年程度の培養期間が必要であることが分かったため、植物栽培試験期間を延長する必要が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、放射性セシウムが含まれた土壌を用いた植物栽培試験を行う。
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Causes of Carryover |
土壌培養試験の結果から1年程度の培養期間が必要であることが分かり、植物栽培試験期間を延長する必要が生じたため、本年度に使用する予定であった試薬等の購入を延期したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
植物栽培試験に伴い、必要な試薬等の購入に充てる。
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[Journal Article] Application of PIXE analysis to investigation of plants cultivated with contaminated soil of Fukushima2014
Author(s)
K. Ishii, A. Terakawa, S. Matsuyama, A. Ishizaki, H. Arai, N. Osada, H. Sugai, H. Takahashi, K. Sera, H. Sasaki, T. Sawamura
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Journal Title
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section B: Beam Interactions with Materials and Atoms
Volume: 332
Pages: 46-49
DOI
Peer Reviewed
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