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2013 Fiscal Year Research-status Report

3次元無線実装のための強磁性共鳴を利用した狭帯域近接磁場アンテナ原理の検証

Research Project

Project/Area Number 25870052
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

三宅 耕作  東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20374960)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywords強磁性共鳴 / 半導体実装 / マイクロアンテナ / ナノ磁性体
Research Abstract

高周波伝送線路上に配した、薄膜磁性体パターンからの放射について研究を行った。コプラナー線路周辺に生じる電流磁界によって磁性体は歳差運動を行う。歳差運動の位相はショート端コプラナー線路上では場所によって異なるため回転運動の位相や距離を制御することで放射磁界の強度が強くなる位相や強度分布が変化することをシミュレーションで確認した。
GSGコプラナー線路のシグナル上にスリット型のFeCo磁性体をEBリソグラフィーとArミリングによって作成し、実際に強磁性共鳴を測定した。強磁性共鳴は線路のエッジ付近に磁性体を配した場合において最も強くなり、1μm以下の僅かの距離でエッジから内側に磁性体を配置するとFMR信号強度は大幅に減衰した。これはコプレーナ線路上で電磁界の放射吸収するエリアがエッジ付近に限定されており、主にこの部分に配した磁性体が歳差運動していることが分かった。これは従来知られているコプラナー線路を用いた強磁性共鳴現象についての単純な理解とは異なっていることがわかった。また磁性体の体積に対して強磁性共鳴強度は単調に増加しており、線路エッジに近接する磁性体が歳差運動を生じさせ、空間の磁束の変化を生じさせていることが分かった。
一方、磁性体と線路エッジとの間にわずかな距離をとると共鳴スペクトルがアンチローレンチアン型からずれていくことが分かり、線路のエッジ付近に空間的にx-zベクトル成分を持つ誘導磁界を受けて運動していることが期待される。このような磁場分布を制御することで放射損が強くなる状態を生み出すことができることが期待される。
これらの知見を元に、強磁性共鳴アンテナの設計指針を得ることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

試料作製、計測装置トラブルなどによって、計測が不能な期間が多く当初の予定よりも研究の進展が遅れている。特に100nm程度のナノドット磁性体を用いた研究を主体とすることを想定していたが、それについて十分に研究を行うことができなかった。具体的には電子線描画装置の故障、測定システムの除振等に関わる影響、測定プローブを安定操作するためのマイクロポジショナーの故障などのトラブルが続き、信頼性のある計測を行うことができなかった。
ナノドット磁性体の研究から信号のQ値を支配する共鳴線幅を決定する原理を明らかにする予定であった。ナノドットはサイズによって熱擾乱の影響が大きくなるためサイズ依存性などを計測することで熱擾乱と線幅の影響を調べることを期待していたが行うことができなかった。また、ナノドット化することでフィルムの形状異方性とは異なる異方性となるため、歳差運動の軌道を制御することができる。この影響と線幅の影響についても調べることができなかった。
そこで、簡便に研究を行うことができる、大パターン(数100μm)の磁性体スリットパターンをコプラナー線路に配した研究を主体として進めた。その結果、従来予想していたような誘導磁界による磁気励起と異なっており、磁性体内部に不均一な磁場強度・ベクトルを持つ誘導磁場を受けて不均一に歳差運動しており、このことが、他機関でもしばしば観測されるコプラナー線路上のFMR測定における大きな線幅と関係している可能性が高いことが示唆された。
これらの知見を元に、今後、より効率的な磁気アンテナの設計を行えると期待している。

Strategy for Future Research Activity

磁気アンテナの実現と、その証明に向けて、主にスリット型磁気パターンをコプラナー線路上に配した実験について研究を行う。計算に基づく予想を行い、位相制御された複数の磁性体の回転運動に伴う磁気放射を計測する。
絶縁体基板上に非磁性マイクロコイルを作成し、放射磁界の計測を行えるようにする。そのための計測装置と解析手法について実験を進める。
磁気アンテナ上に垂直に立てた非磁性コイルを走査することで、磁気アンテナからの放射によるS21測定を行う。これによって、磁性体スリットパターンの大きさや配置によって放射磁界が空間でどのように変化するか計測を行う。測定した放射磁界と理論予想を比較することで放射磁界の存在と、その制御方法を明らかにし、強磁性共鳴アンテナ動作と動作原理を実験的に確認する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成26年度請求額とあわせ、平成26年度の研究遂行に使用する予定である
次年度も引き続き高周波計測部品や放射磁場計測のための物品の購入を行う。また、会議発表や論文投稿料に使用する予定である。また外部研究者との共同研究を進める予定であり、長期滞在の旅費にあてる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] FMR mode variation of FeCo circular nano-dots under out-of-plane field2013

    • Author(s)
      Kousaku Miyake, Seung-Mo Noh, Muneyuki Ohmi, Tomoaki Kaneko, Hiroshi Imamura, Masashi Sahashi
    • Organizer
      12th IUMRS International Conference on Advanced Materials (IUMRS-ICAM 2013)
    • Place of Presentation
      Qingdao, China
    • Year and Date
      20130923-20130924

URL: 

Published: 2015-05-28  

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