2014 Fiscal Year Annual Research Report
抗菌性銀添加型ハイドロキシアパタイトの創製と形態制御
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25870061
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 充孝 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (10547706)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 抗菌性ハイドロキシアパタイト |
Outline of Annual Research Achievements |
整形外科的手術においてよくある合併症の一つである術中・術後の細菌感染を予防できる新しいインプラントの開発が強く望まれている現状を踏まえ、本研究では、水溶液プロセスを用いてハイドロキシアパタイト(HAp)へ抗菌性を有する銀および銅を固溶させることで抗菌性生体材料を開発し、添加元素が結晶構造、微細組織、溶解性、抗菌性に及ぼす影響を調査した。 Ag添加型では、2 mol%以上の添加により金属Agが生成した。XAFSスペクトル解析においても、Ag K端のXANESスペクトルは金属Agのものと類似しており、添加したAg+の大部分はHAp構造中に存在していなかった。本研究にて用いたすべての合成法においても、僅かなAg添加量で合成した試料にて、金属Agと同様のXAFSスペクトルが得られているため、Ag+イオンはHAp構造中に固溶し難いことが示唆された。 Cuを添加型ではXRD測定にてすべての添加量においてHAp単一相が得られ、また、Cu添加量増加に伴い結晶粒の微細化が確認された。XAFSスペクトル解析結果から、Cu-K端のXANESスペクトルはCu3(PO4)2のものと類似しており、添加したCu2+イオンの周囲にはPO43-イオンが存在しており、さらに、XRDおよびCu添加に伴う格子定数変化および元素分析結果とを合わせて評価することにより、添加したCuはHAp構造中Caサイトへ置換固溶していることが示唆された。 大腸菌を用いた抗菌性評価では、Ag添加型・Cu添加型試料いずれもコントロール材と比較して103~104程度のコロニー数が減少している様子が確認され、AgおよびCuの添加により、HApに抗菌性を付与することが可能であった。また、添加量の増加に伴い、溶出するイオン量が増加するため、それぞれの試料の抗菌力も強くなった。
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Research Products
(2 results)