2014 Fiscal Year Annual Research Report
超高表面積炭素と有機金属錯体のナノ複合化による巨大電気容量キャパシタの開発
Project/Area Number |
25870066
|
Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
糸井 弘行 愛知工業大学, 工学部, 講師 (40648789)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 電気二重層キャパシタ / 電気化学キャパシタ / 有機金属錯体 / ゼオライト鋳型炭素 / 多孔質炭素 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゼオライト鋳型炭素に吸着したフェロセンは熱的には安定であるにも関わらず、ゼオライト鋳型炭素に物理的に吸着させて電極を作製すると、充放電過程で容易に分解しやすいことが初年度の研究成果から明らかとなった。ゼオライト鋳型炭素は水系電解液中で容易に酸化されるため、酸化の影響を排除するために電気化学的に酸化されにくい多孔性カーボンブラックにフェロセンを吸着させて電気化学測定評価を行ったが、充放電過程における分解を確認したため、多孔質炭素担体の酸化はフェロセンの分解と関係ないことが分かった。26年度ではフェロセン誘導体である1,1'-ジブロモフェロセンやビニルフェロセンを用いて電極を作製して電気化学キャパシタ特性を評価したが、充放電過程での錯体の分解を確認した。そこでルテニウムを含むルテノセンをゼオライト鋳型炭素に吸着させて電極を作製して電気化学測定評価を検討した。その結果、0~0.4 V(vs. Ag/AgCl)の電位範囲では600 F/gという極めて大きなキャパシタ容量を示し、20 A/gの電流密度という極めて早い充放電速度で評価しても容量が400 F/g以上という優れたキャパシタ特性を示した。ルテノセンは1分子が酸化されるともう一つの未酸化のルテノセンと不均化反応を示すために可逆的な酸化還元反応を示さない。しかし本研究ではルテノセンをゼオライト鋳型炭素に物理的に吸着させて固定化しているために不均化反応が起こらず、可逆的に酸化還元反応を示すことが明らかとなった。しかしながら、電気化学的に安定なルテノセンでも電位範囲をさらに広げるとフェロセンと同様に電気化学的に分解しやすいことが分かった。一方でエネルギー密度の大きさは電位範囲の大きさの2乗に比例するため、電位範囲を広げても分解しない電気化学的に安定な錯体を見出すことがエネルギー密度を増加させるために必要であることが分かった。
|
Research Products
(4 results)