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2014 Fiscal Year Research-status Report

クローナル植物を用いた低線量放射線被曝の遺伝的評価

Research Project

Project/Area Number 25870080
Research InstitutionFukushima University

Principal Investigator

兼子 伸吾  福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (30635983)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywordsクローナル植物 / 塩基配列突然変異 / 低線量放射線
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、有性生殖による遺伝子の組み換えが起こっていない個体(同一クローン)が広域に分布する植物を対象に、次世代シーケンサーから得られる大量の塩基配列情報を用いて、低線量の放射線が生物の塩基配列突然変異に与える影響の解析を行っている。本年度は、これまでに収集したモウソウチクのサンプルを対象に、マイクロサテライトマーカーによる解析および次世代シーケンサーを用いた解析行った。解析は、福島県内9カ所、福島県外5カ所から採取したモウソウチク計94サンプルを用いた。
マイクロサテライトマーカーによる解析では、これらの94サンプルにおいて対立遺伝子の組み換え、すなわち有性生殖による繁殖は生じておらず、すべてのサンプルが無性的に繁殖したクローンであることが確認された。また、1集団においては、体細胞突然変異に由来すると考えられる対立遺伝子の多型も確認された。
次世代シーケンサーによる解析の結果、上記の94サンプルについて1930~2527遺伝子座、約160bpについて塩基配列データを得ることができた。得られた塩基配列データは、約30万~40万bpにのぼる。モウソウチクのゲノムサイズは、約20億bpであるので、全ゲノムの0.015~0.020%の塩基配列情報を得たことになる。これまで同様のテーマにおける解析は、多くても300遺伝子座程度のPCR産物の長さのみを対象とした解析である。本研究のように94サンプルという多数のサンプルを対象とし、約2000遺伝子座について塩基配列情報を得た研究はこれまでになく、格段に信頼性の高い結果が得られたと言える。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

解析の正確性を重視したために、データ解析に含める遺伝子座数は若干少なくなったものの、解析手法の向上や研究協力者の協力により、当初想定していたよりも、多数のサンプルで解析ができており、おおむね順調に進展しているといえる。

Strategy for Future Research Activity

得られたデータについて、詳細な解析を行い、低線量の放射線が生物の塩基配列突然変異に与える影響を解析する。状況に応じて追加の解析も行う。

URL: 

Published: 2016-06-01  

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