2015 Fiscal Year Annual Research Report
大規模連立一次方程式に対する反復法を用いた前処理技術の開発と科学技術計算への応用
Project/Area Number |
25870099
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
今倉 暁 筑波大学, システム情報系, 助教 (60610045)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 高性能計算 / 数値解析 / 大規模連立一次方程式 / 反復法 / 前処理技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
大規模連立一次方程式に対する反復法を用いた高性能前処理技術を開発し、科学技術計算へ応用するという本研究課題を遂行するにあたり、平成27年度は、「科学技術計算への適用と性能評価」を中心に研究を進めた。また、平成25年度から行なっている「定常反復法の高性能化及び収束性の理論解析」「実用化を目指した利用性向上のための技術開発」についても引き続き継続して行った。 超新星爆発計算や格子量子色力学(格子QCD)計算などの科学技術計算に対し、開発した前処理技術を適用しその性能評価を行うとともに、フィードバックしてアルゴリズムの改良につなげた。実際に行われる多くの科学技術計算では、大規模連立一次方程式の求解に膨大な計算コストを要することや、現れる連立一次方程式が悪条件となり求解が困難であるという事が、シミュレーションの大規模化・高精度化への妨げとなっているという事実がある。本研究課題で開発する前処理技術をもとに、従来避けられてきたシミュレーションの大規模化・高精度化の可能性が見いだされれば、様々な分野の科学技術計算におけるブレークスルーが期待される。 本研究期間内では必ずしも多くの分野での実科学技術計算に対する貢献が成果としては現れていないものの、超新星爆発計算の分野において、本研究課題で開発した前処理手法を用いた計算が実際に進められ、日本物理学会および国際会議Nuclei in the Cosmosに採択されるなど、成果をあげている。
|
Research Products
(15 results)