2014 Fiscal Year Research-status Report
農業経営におけるイノベーション・製品開発に求められる経営者能力
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25870109
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
杉田 直樹 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (40594487)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 農業経営 / 製品開発 / イノベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
農商工連携や6次産業化に取り組み製品開発を行っている農業生産法人等に聞き取り調査を実施し、製品開発プロセスや開発後の販売等において、経営者や従業員、特に女性がどのような機能・役割をはたしているのかを明らかにした。 経営組織における構成員の多様化が、組織の活性化等にとって重要であることが指摘されることなどから、農業経営における製品開発にとっても女性の果たす役割は非常に大きくなることが考えられる。実際に、製品開発や開発後の製品販売等において、女性が大きな役割を果たす事例が非常に多くみられた。 製品開発等において女性の能力が発揮されやすい背景として、以下の点が指摘できる。まず初めに、加工食品の主なユーザーが女性であり、需要者のニーズ把握に優れている点、次に、製品開発にそれまでの食品加工や調理等の経験を活用しやすい点、さらに女性同士のネットワークを活用した製品開発が期待できる点、同様に女性同士のネットワークによる需要者とのつながりを活かして販売促進活動が可能になる点である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究目的は、以下の3つの課題の解決であった。 第1の課題は、農産物や農産加工品の製品開発に関する実態の把握が不十分で体系化されていない点、第2の課題は、製品開発に必要となる経営者個人の経営者能力や資質が明らかにされていない点、第3の課題は、製品開発とマーケティング活動との連携の在り方が不透明な点である。 このうち、第3の課題については当該年度の前年度の研究により一定の成果を得ており、当該年度の研究では、第2の課題について、女性を中心に製品開発に必要な経営者能力等について一定の示唆が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、農産物や農産加工品の製品開発について、実態の把握を一層すすめることと、製品開発についての体系化を進める方針である。実態把握を進展させるための事例調査をさらに行うことと合わせて、アンケート調査を実施する。アンケート調査対象としては、農林水産省の発表している「6次産業化先進事例集」や、農林水産省・経済産業省が発表している「農商工連携88選」、「農商工連携ベストプラクティス30」等の先進事例などを計画している。 これまでの事例調査から明らかとなった、製品開発の類型化や、経営者能力等について、アンケート調査を通じて、理論を一般化していく。
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Causes of Carryover |
アンケート調査の実施ができず、事例調査が中心となったため、アンケート調査のための郵送費相当分が次年度使用額として生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初予定していた、「6次産業化先進事例集」等へのアンケート調査で使用する計画である。
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