2014 Fiscal Year Research-status Report
ドラッグデリバリーシステムを利用した周術期鎮痛法としての徐放薬の作成
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25870114
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
鈴木 敏之 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (70455989)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | リドカイン / 徐放薬 / 抜歯患者 / 生分解性ポリマー / 臨床試験 / 術後鎮痛 / 無作為 |
Outline of Annual Research Achievements |
リドカイン徐放シートの臨床応用として、歯科領域でのⅠ/Ⅱ相臨床試験(単盲検無作為割り付け試験)を現在実施中である。20歳以上50歳未満の下顎水平埋伏智歯の抜歯術を受ける患者で、米国麻酔学会術前状態分類のPS1または2に相当する男女100人に対して適応し、抜歯後の痛みに対する安全性(中毒量と投与量の検討)と有効性の確認をするものである。比較検討は以下のA~E5群で行う。D(徐放シート200mg)はC(徐放シート100mg)を2枚、E(徐放シート400mg)はC(徐放シート100mg)を4枚投与する。また、Aは今まで通り酸化セルロース(サージセル)を、Bはコントロールとして薬効のない基材のみ100mgを投与する。術後、鎮痛薬レスキューとしてセレコキシブ(セレコックス)またはアセトアミノフェン(カロナール)を一定の基準に従い内服できる。また術後、抗生物質としてセフカペンピボキシル塩酸塩水和物(フロモックス)を3日間内服する。VAS、鎮痛薬レスキュー量、患者満足度、血液検査、血中リドカイン濃度、有害事象を調査し、有効性と安全性の評価を行う。必要であれば診察を行い自他覚所見も調査する。 現段階では100症例予定のうちの22症例まで終了し、痛みの程度であるVASは、リドカイン徐放シート投与群で少なくなる傾向にある。また一週間経過するとVASは再度収束することを考えると,徐放シートは有効であると判定できる。さらに患者満足度に関しては徐放されている期間は、リドカイン徐放シート投与群で高い値を示す傾向にあり、VASと同様、徐放シートの効果があると考えられる。引き続きさらに症例を追加し比較検討を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
他科との共同研究であり、情報交換や意思の疎通に時間を要したため。また、昨今の当施設の不祥事で被験者が不安がり同意を得られにくくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後さらに症例数を増やしていく。患者に初めて応用しているため注意深く観察する必要がある。また成果(結果)の発表として学会発表や論文発表を念頭に準備していく予定である。
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Causes of Carryover |
前年度、大学内で他の予算を先に使用したため繰り越されている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度以降、新たな臨床研究を立ち上げる予定であり、その準備に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)