2014 Fiscal Year Research-status Report
西洋近代における「崇高」の思想史:美学および関連諸学への領域横断的アプローチ
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25870161
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
星野 太 東京大学, 総合文化研究科, 特任助教 (80646208)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 崇高 / 美学 / 修辞学 / ロンギノス / リオタール / オイコノミア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の2年度目にあたる平成26年度は、前年度までの研究を踏まえ、美学および修辞学における「崇高(sublime)」の概念について、具体的なテクストに即した研究を行なった。前年度の研究が、18世紀を中心とする古代から現代までの「崇高」の思想史に焦点を合わせたものであったのに対し、本年度の中心な研究課題は、それを古代および現代における特定のテクストを対象としつつ論じることであったと言える。 その第一の成果としては、研究代表者が以前より取り組んでいるロンギノスの『崇高論』研究において、いくつかの新たな知見を示すことができたということが挙げられる。とりわけ本年度に発表した論文において、古代修辞学における「崇高」と「オイコノミア(エコノミー)」概念との関連を詳しく論じたことが、その具体的な成果である。 また、第二の成果としては、同じく研究代表者が継続的に関心を寄せているジャン=フランソワ・リオタールの「崇高」概念を、より広いパースペクティヴのもとに位置づけることができたということが挙げられる。その成果の一部はすでに口頭発表として公にしたが、次年度はさらにそれを複数の論文として発展させる予定である。 以上の成果の一部は、研究代表者が海外において組織した国際シンポジウム等で発表された。今年度までに構築した機関や研究者のネットワークをもとに、次年度以降は国内外の研究者とのさらなる連携を行なっていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、研究計画書に記した19世紀ドイツにおける「崇高」の研究にはほとんど着手できなかったものの、平成27年度以降に計画していた19世紀から20世紀にかけての「崇高」をめぐる研究を大いに進展させることができた。 以上から、申請時の計画とは若干順序の相違があったものの、本研究課題全体の目的に鑑みれば、今年度の研究はおおむね順調に進展したと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(平成27年度)以降は、当初の計画通り、近代のドイツ、フランス、イタリア語圏の「崇高」概念について引き続き調査を進める。また、それと並行して、国内外の研究者との研究交流を維持しつつ、本研究が扱う問題の射程を隣接する諸領域にも広げられるよう努める。
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Research Products
(5 results)