2014 Fiscal Year Research-status Report
多関節協調動作としての立位姿勢制御-その発育発達・加齢低下の機序に挑む-
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25870164
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笹川 俊 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (90551565)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 静止立位 / 多関節運動 / バイオメカニクス / 姿勢制御 / 発育発達 / 加齢 |
Outline of Annual Research Achievements |
静止立位姿勢のバランス制御という運動課題は、足関節のみが関与する単関節動作ではなく、冗長な多関節動作である。本研究は、多関節動作に特有の運動学的・力学的な効果に主眼を置いた測定・解析を実施する事により、静止立位姿勢の神経制御の詳細を明らかにすると同時に、その発育発達、加齢低下のメカニズムに迫る事であった。 本年度は、健常成人を対象とした研究を通して、静止立位時の身体重心に対しては、これまで想定されてきた足関節や股関節だけでなく、膝関節が運動学的に顕著な影響を及ぼしていることが明らかになった。また、高齢者を対象とした研究では、下肢主要三関節間にみられる運動協調パターンの乱れが、加齢にともなう姿勢制御能力低下の一因である事が明らかになった。さらに、幼児を対象とした研究では、これまで広く用いられてきた足圧中心動揺よりも、身体重心加速度を指標として用いる事により、全身の運動協調の発達過程を的確に評価し得る事が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までは、成人を対象とした研究に関してのみ成果がみられたが、今年度は幼児や高齢者を対象とした研究に関しても顕著な成果がみられた。また、今年度は、成人を対象とした研究成果が、Gait and Posture誌に原著論文として掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
幼児や高齢者を対象とした実験を継続するとともに、これまでに得られた研究成果を、順次原著論文にまとめていく計画である。
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Causes of Carryover |
研究代表者の異動の関係で研究計画に大幅な変更が生じ、研究機材の購入を先送りにしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
購入を予定していた研究機材は、必要に応じて来年度に購入する計画である。
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