2013 Fiscal Year Research-status Report
途上国の地方行政サービス提供における市民参加に関する組織論的研究
Project/Area Number |
25870167
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
石井 梨紗子 福岡大学, 商学部, 講師 (00596851)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インタビュー調査 / 質問票調査 / データ分析 |
Research Abstract |
平成25年度は、今回の研究課題で取り上げる2カ国のうちウガンダにおいて現地調査を実施した。当地ではマケレレ大学の若手研究者の協力を得て、首都圏の3つの地方政府で調査を受け入れてもらうことができ、各地方政府で関連部局担当者への半構造インタビューおよび部局職員への質問票調査を行った他、公営の医療施設も訪問した。また当該地方政府と協力関係にある市民団体も計8カ所訪問し、同様の調査を行った。結果として当初想定していた以上の情報を収集することができた。さらに調査終了後、隣国ルワンダを訪問する機会も得た。ルワンダでは世界銀行で現在計画中の地方行政支援案件に関してインタビューを行った他、現地で調査中の研究者から地方の行政サービスの状況をヒアリングすることでウガンダとの類似点・相違点を観察することができた。 本現地調査を通じて、まずウガンダにおける地方分権化以降の地方行政サービス提供の状況について、首都圏だけではあったが大枠の情報を収集することができ、もう一方の研究対象地であるフィリピンとのマクロレベルでの比較が可能になった。また研究課題設定時の構想通り、個別の地方政府内でサービス提供への市民参加がどのように認識されているのかに加えて、市民団体側がどのような認識をもってサービス提供に関わっているのかを双方向からの観察ができたことは非常に大きな収穫だった。 本年度の研究成果は現在イギリスに拠点を置く研究者達と共同執筆中の著書の中で報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定通りに初年度に1カ国の現地調査を遂行することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2年次に当たる今年度は、昨年度収集資料の分析を続けるとともに、2カ国目(フィリピン)の現地調査を計画・実施し、2カ国の調査結果の比較分析を開始する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた質的データ分析ソフトについて別途資金で購入したため余剰が生じた。 上記余剰分は翌年度に計画しているフィリピン現地調査の予算に充て、現地調査の内容の充実を図りたい。
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