2014 Fiscal Year Annual Research Report
ABMを用いた医師分布に関するGISシミュレーションと必要医師数予測
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25870174
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
豊川 智之 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40345046)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Agent Based Model / GIS / Spacial epidemiology / 医師供給 / 保健医療政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では、地理的連続性が小さい北海道の人口モデルを初年度に作成した基本モデル上に反映させた応用モデルを作成した。基本モデルは、医師と人口の分布から診療所を設置するAgent Based Modelingにそったシミュレーションで、Repastを用いて作成した。医師には診療所を設置する判断を下すための診療所対人口の希望値を与える。診療所対人口の希望値については医師を2群にわけられるよう設定した。応用モデルにおける人口分布は地理情報システムソフトウェアArcGIS上で、人口メッシュデータを用いて2kmのグリッドを作成し、各グリッド内人口を計算しエクスポートした。 応用モデル上の医師の行動特性を推定するための分析を行った。アルトマーク社が提供している医師データを入手し、北海道内で勤務する医師のデータを用いた。分析に用いた項目は勤務地郵便番号、出身地、出身大学、診療科、年齢、性、であった。同データと人口分布メッシュをArcGIS上に取り込み、各医師から半径2kmのバッファ内の人口と医師数をカウントし、医師数対人口を得た。各医師の人口対医師数の分布と決定要因について回帰分析を行い、県内出身者に最も強い有意な関連がみられた。医師供給に対する医療政策的アプローチとして地元枠がある。応用モデルで設定できる2つの医師群を県内・外出身者とし、各々の医師対人口の推計値を上記希望値として設定したシミュレーションを行った。感度分析として県内出身者が占める割合を0%、10%、20%、50%、100%としてシミュレーションを行った。Gini係数では改善は見られなかったが、診療所対人口では10%のときに1.02%の改善、100%では1.04%の改善がみられたが、地元枠の拡大などの県内出身者の採用はマクロ的な指標においては大きな改善を得られないことがわかった。今後はArcGIS上でRepastを実行できるSpatial Analystでのシミュレーションが必要である。
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Research Products
(1 results)