2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25870196
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
花田 隆周 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (90549940)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歯内療法 / 垂直性歯根破折 / 波長走査型光干渉断層計 / 抜歯原因疫学調査 / 髄腔開拡 / 咬耗 / WSD |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度における研究成果は、近赤外光を用いて非侵襲的に組織内部の精密断層を得られる医療撮影用技術である波長走査型光干渉断層計Swept source optical coherence tomography(SSーOCT)において、歯内療法への応用の可能性を検討し、破折線、上顎大臼歯近心頬側第二根管、象牙質下の歯髄腔などの検出に有用であることを示唆する得られた画像結果を、総合的に計測値の相関関係の有無を評価し、SS-OCTを用いることによる臨床経験の有無に左右されにくい客観性のある方法であるかどうかの有用性について学会発表を行った。根管治療時の髄腔開拡を誤った方向に進めてしまった場合に穿孔が起きてしまう恐れがある。髄腔開拡時の穿孔は歯頸部付近に起きることが多く、その場合の予後は特に悪く、抜歯に至る可能性がある。また、穿孔に至らなくても、不必要な切削により健全歯質が失われ、破折等の起因となり予後に影響を及ぼすと考えられる。 上記研究では、残存象牙質の厚みが把握できることで、過剰切削を防止し、歯質の切削を最小限にとどめ、垂直性歯根破折の予防ならびに診断法の一つとなる可能性が示唆されるとともに、SSーOCTはチェアサイドで繰り返し使用が可能であり、臨床応用への展開が期待された。 また、長野県上伊那地域における永久歯の抜歯原因について、各患者の性別、年齢、抜歯部位、解剖学的特徴(下顎隆起、口蓋隆起、咬耗、くさび状欠損)、口腔内の清掃状態、間食の習慣、甘い物の嗜好、抜歯に至った主要因、および歯髄の状態について調査およびデータを比較検討し、学会発表を行った。 上記研究の被験者の解剖学的特徴データの解析において、咬耗やWSDがあると、歯の破折による抜歯になりやすく、下顎隆起や口蓋隆起といった咬合力の代償として現れる骨造成反応より、歯質の代償性喪失の方が歯根破折に関連性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
垂直性歯根破折の予防を、波長走査型光干渉断層計の臨床応用の点から学会発表を行った。 また、永久歯の抜歯原因について調査・解析を行い、歯質の代償性喪失が歯根破折に関連性があることについて発表を行った。 以上より、おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
以上研究成果について、論文発表を予定している。
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Causes of Carryover |
消耗品の一部を、前年度より繰り越すことができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文執筆にあたり、校正費および別刷り等に使用する予定である。
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