2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25870202
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
原田 理代 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80555756)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 関節 / 骨 / FGF |
Outline of Annual Research Achievements |
長管骨が太く短く、肘・膝関節形成不全を示すFgf9ミスセンス変異マウスEksの骨格異常がどのような細胞、分子メカニズムで発症するのかを解明することで、FGFシグナルが関与する骨・関節形成機構を明らかにすることを目的とした。 1.Eksマウスの橈骨短縮の原因について、細胞増殖に着目して橈骨を解析した。胎齢13.5日で、Eksホモマウスは橈骨の近位骨端において軟骨細胞の細胞増殖が低下していた。Eksホモマウスでは、橈骨の近位骨端予定部位で異所的なFGFシグナルが検出されることから、骨端軟骨の細胞増殖維持には、FGFシグナルの抑制が必要である可能性が考えられた。 2.Eksマウスの上腕骨が太くなる原因について、軟骨膜に着目して上腕骨の組織学的解析を行った。胎齢13.5日では、Eksホモマウスは軟骨膜細胞層が肥厚していた。この結果から、Eksマウスの骨が太くなる症状は軟骨膜細胞層の肥厚と関係している可能性が考えられた。FGFシグナルが軟骨膜形成に寄与し骨の太さを制御している可能性が示唆された。 3.Eksマウスの膝関節形成不全発症機構について、膝関節形成不全を誘導する異所的なFGF9シグナルが作用を及ぼしている因子の同定を試みた。胎齢12.5日のEksホモマウス後肢芽膝関節予定部位では、Sfrp2とNogginの発現が低下していた。Sfrp2はWnt阻害分子であり、NogginはBMP阻害分子であることから、Eksホモマウスでは異所的なFGFシグナルにより、Wnt/β-Cateninシグナル及びBMPシグナルの亢進が誘導されることで、膝関節形成が阻害されていると考えられた。この結果から、正常な膝関節形成には、膝関節予定部位でのFGFシグナル抑制によるSfrp2とNogginの発現誘導が必要である可能性が示唆された。
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