2014 Fiscal Year Annual Research Report
超高感度電位計測バイオセンサーによる細胞骨格タンパク質動態のモニタリング
Project/Area Number |
25870205
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
前田 康弘 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (90574939)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 半導体型バイオセンサー / 微小管 / チューブリン / 吸着電位 / 誘電率 |
Outline of Annual Research Achievements |
電界効果トランジスタやエレクトロメーターなど半導体型バイオセンサーによる細胞骨格タンパク質動態のモニタリングに関する研究を行った.アルツハイマー病やその他脳内に神経原線維が形成される疾患において見出される微小管束の喪失,および抗がん剤の主要なターゲットとして注目されている微小管の会合脱離過程,これらの検出を簡易・迅速かつ低コストに達成する基盤技術を提供すること,および従来の蛍光イメージングに依存したタンパク質動態観察から脱却し,プロテオミクス解析,分子モーターおよびその集積化した運動素子の運動機構解明のための新たなプラットフォームを提示することを目的としている.研究実施計画に従い,初年度(2013年)は10月の帰国後より,半導体型バイオセンサーを用いた高感度電荷検出によるチューブリンおよび微小管の電気的特性評価に取り組んだ.また、これらタンパク質が電極表面吸着後に構造変性することを抑制するための固液界面設計を検討した.チューブリンおよびその集合体(微小管)は研究協力者(北海道大学 角五彰 博士)より必要に応じて提供された.これらタンパク質に対する吸着電位測定を半導体型バイオセンサー(金電極)で実施した.チューブリンおよび微小管に対する理論的な静電ポテンシャル解析に関する既報文献は,いずれも負に帯電していることを報告している.しかし,微小管の吸着電位測定は,その理論的荷電状態から予想されるのとは逆の,正の電位変化を示した.(1)微小管側面は対イオン(カチオン)により強く遮蔽されること,(2)チューブリンと微小管で誘電率が大きく異なること,および(3)底面(理論的には正に帯電)を向けて接着した可能性などが考えられる.従って,インピーダンス測定や原子間力顕微鏡による吸着後の電極表面観察も重要であると考えている.また、サンプル量低減のため,マイクロ流路型電極システムの開発も行った.
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Research Products
(1 results)