レーザの多方向からの集中照射を利用した高水平分解能を有する光形状計測システム

2015 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 25870216
• Research Institution: Meiji University
• Principal Investigator: 澤野 宏 明治大学, 理工学部, 講師 (40514295)
• Project Period (FY): 2013-04-01 – 2016-03-31
• Keywords: 形状計測 / 光プローブ / 水平分解能 / 集中照射 / 非点収差法 / 光線追跡法

Outline of Annual Research Achievements

最終年度に実施した研究の成果
最終年度においては，平成26年度までに実施したシミュレーション内容および原理確認実験の内容において，データの処理方法や装置構成に見直しの必要が生じたことから，装置構成を修正してのシミュレーションとその結果を元にしたデータ処理方法の決定，ならびに原理確認実験装置の修正と原理確認実験を実施した．シミュレーションおよび実験の結果より，従来の光プローブと比べて高い水平分解能で段差形状を計測出来ることを明らかにした．以上の結果より，提案するレーザの多方向からの集中照射光プローブが水平分解能を向上させる方法として有効であることを示した．
研究期間全体を通じて実施した研究の成果
本研究では，数10nmの高い水平分解能を有する光形状計測の実現を目的として，レーザの多方向からの集中照射による光形状計測システムを開発した．光線追跡法を用いた光学シミュレーションを行った結果，提案する光プローブでは測定形状に乱れが生じており，変位と傾斜の分離方法の見直しや段差により遮られるレーザ光の補正方法の検討が必要であることが明らかとなった．しかしながら，従来の光プローブと比較して，試料の形状に近い傾斜を持つ斜面が測定できており，提案する光プローブが従来の光プローブと比べて高い水平分解能を持つことを示した．また，原理確認実験を行い，試料の変位と出力の関係を調べた結果から，シミュレーションから決定したデータの処理方法により，形状の計測が可能であることを示した．
以上の結果より，本研究で提案するレーザの多方向からの集中照射光プローブにより水平分解能の向上が実現可能であり，本研究の成果は形状計測技術の発展に貢献するものである．