2014 Fiscal Year Research-status Report
凝結遅延剤および伝導型熱量計を利用した新規セメントリサイクルシステムの構築
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25870221
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
新 大軌 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (70431393)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | セメント / 戻りコンクリート / スラッジ水 / 凝結遅延剤 / グルコン酸ナトリウム / コンダクションカロリーメーター / 水和反応 / 残存セメント量 |
Outline of Annual Research Achievements |
スラッジ水に含まれるセメント分を有効利用する新規セメントリサイクルシステムを確立するために、1)カロリーメーターによるセメント残存分の定量方法を確立する。また、実際のスラッジ水を考慮し、2)化学混和剤が共存した系におけるグルコン酸ナトリウムによるセメントの水和反応制御機構の解明を行う。そして、実際のスラッジ水を模擬したセメントペーストを用いて、3)金属塩による水和遅延解除効果の検討を行い、セメントの水和制御解除方法を確立する。さらに4) 水和反応モデルを用いたセメント水和発熱速度予測シュミレーションを検討する。以上の結果を統合させ、スラッジ水中の未水和セメント分の迅速定量評価手法の確立のための検討を行う。 本年度は、3) 金属塩による水和遅延解除効果について、詳細に検討を加えた。 実用的に水和制御したスラッジ水を用いるためには、スラッジ水中の残存セメント量を定量することが重要となる。前年度1)で検討したカロリーメーターによる残存セメント量の定量手法を用いて、スラッジ水中の残存セメント量を定量する手法を確立した。この際に重要なのはグルコン酸ナトリウムを使用して水和を制御しているセメントに対して、水和反応を早期に開始させることである。これについて、セメント水和開始効果があるとされる硝酸マグネシウム6水和物(以下、Mg(NO3)2・6H2O)を添加してその開始効果について検討を加え、最適な添加率について明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究申請時の計画通りに進展しており、研究遂行に問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、下記の項目について検討を加える。 4) シュミレーション手法を利用したスラッジ中の未水和セメント量の迅速評価 本申請のリサイクルシステムにおいては、前日に発生したスラッジ水を翌日にコンクリートの練り混ぜ水としての利用を可能にすることを想定している。このため、スラッジ水中の未水和セメント分を迅速に評価する必要がある。 既往の研究において提案されているセメントの水和発熱速度の解析式が多数存在する。これらを利用すれば、反応初期の発熱挙動をデータとして得るだけで、その後の水和反応熱や反応速度を予測することが可能となる。まず、それぞれ水和反応速度式について今回の系への適応性について検討を行う。次に適応可能と判断された水和反応速度式を利用して、スラッジ水中の未水和セメント分の迅速定量手法を確立する。 また、最終年度であるため、前年度までの成果を統合し、スラッジ水中のセメント分の迅速評価方法を確立する。
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