2015 Fiscal Year Annual Research Report
電力残量に適応して動的再配置可能な無線通信網の自律構築・最適化
Project/Area Number |
25870232
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
服部 聖彦 国立研究開発法人情報通信研究機構, 耐災害ICT研究センター ワイヤレスメッシュネットワーク研究室, 主任研究員 (00435794)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 領域被覆 / 群ロボット / 無線メッシュネットワーク / センサーネット |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度に実施した研究の成果 これまで提案してきたアルゴリズムは障害物がない環境での効率的な展開および領域被覆を実現した.一方障害物や狭路を含む環境で領域被覆率および被覆完了時間に課題があった.そこで最終年度では,新たに「壁沿い移動モード」を行動ルールに追加した.これはロボットが移動中に障害物や壁などに接触した場合は一定時間,その物体に物理的に接触しながら移動するというものである. 壁沿い移動モードを追加することで(1)障害物がない空間(2)障害物が多数ある空間,(3)狭路を超えないと展開出来ない空間のいずれにおいても,効率的な展開を実現出来た.特に狭路を含む環境において,領域被覆率が頭打ちになるという大きな課題を壁沿い移動モードを組み込むことで解決出来たことは非常に大きな成果だと考える. ロボットの移動距離や展開時間が長くなると(1)故障率が上がる,(2)電力消耗により,ネットワークの稼働可能時間が短くなるという問題がある.本研究では壁沿い移動モードを追加したことで,障害物や狭路を含む環境において,ロボットの移動距離,展開時間の双方を実現した.これにより故障率の低下とネットワーク稼働時間の延長という実応用を目指す上で非常に重要な課題に対し貢献できたと考える. 研究期間全体を通じて実施した研究の成果 本研究の目的は移動ロボット群を用いた動的かつ頑健な臨時通信網の構築である.これに対し(1)RSSIと近隣ロボット数情報を用い,ロボット密度,位置を積極手に利用した移動ロボットの決定,(2)ロボット間通信と役割分担による効率的な移動順位および移動方向制御,(3)ネットワークシミュレータを用いたプロトコルレベルでの検証に加え,電波伝搬特性を組み込んだ信頼性の高いシミュレーション評価および実機実験評価,(4)新たに「行動不能率」を定義し,災害環境を抽象化した上で提案手法の有効性を明らかにした.
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