2015 Fiscal Year Research-status Report
カリキュラム(単元)構成ワークショップの理論構築と企画実践
Project/Area Number |
25870241
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
金馬 国晴 横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (90367277)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | コア・カリキュラム / 単元 / 習作 / ワークショップ / デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、コア・カリキュラム研究について、本件と先の2件の科研費で明らかにしてきた成果を論文化したり、さらに進展させたりすることができた。具体的な著名な単元2つについて考察することで、単元習作ワークショップにおける単元案のあり方とその実践化の視点を研究する手がかりも得ることができた。 また、単元習作ワークショップ自体の、戦後初期における経緯と実際を明らかにし、論文化した。単元習作のそもそもの発想や課題を確かめ、表現できた。2016年度以降に公表したい。 そして、ワークショップの題材を積極的に探索するなかで、一つの国とその教育をフィールドワークしたデータを得るため、キューバ調査を実施した。早速、その報告会としての単元習作ワークショップを企画・実践すること、および調査報告の論文をまとめることができた。こうして、次なるワークショップの企画・実践運営・考察・研究に向けた足掛かりを整えられた。 かつ、大和市立の小学校における研修・来期の計画づくりとして、単元習作を企画・実施でき、現場を会場としたワークショップのさらなる展開を展望することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以上の成果をまとめたこと自体が十分な達成度を示しているが、それらの成果を下支えするような作業も大幅に進展した。 ワークショップは、キューバ調査での収集資料・経験をもとにした報告会とセットで企画・実施することができ、次回開催への見通しも得られた。 長年の懸案であった三度目のコア・カリキュラムの史資料調査の依頼を、学校や教育研究所・センターに対して試みた。とはいえ、新たな資料の発見には至らなかった。 参考文献の整備も引き続き進めた。教育学関連と隣接する分野の文献購入と、今後臨機応変に活用していくための従来所蔵分も含めた分類整理・配架を徹底して行なった。 当年度も、学会大会、教員団体の合宿、教育とそれ以外も含む講演会・シンポジウムなどに、科研費を使用しないものも含めると計百件以上に、史資料・情報や人脈、視点・発想を得るべく参加した。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、時事的なテーマで単元習作ワークショップを企画・実践していくが、その際、これまで開催したテーマの続編やその単元を実践に移した教師による実践報告などの形で、同一テーマの深化ということも試みる。 今年度もさらに、学校現場を会場とした単元習作ワークショップを、現場教員と連携して企画・運営・省察し、研修・実際計画の方式としての展開を模索する。 最終年度に際して、これまで実施したワークショップの回の効果検証を、インタビュー、アンケートなどの形式を模索しながら試みたい。 また、これまで書き貯めてきた事前・事後のメモや、参加者アンケートをもとにして、この単元習作ワークショップ自体に関する理論的な考察を、研究会や学会大会で報告すること、あるいは論文化も試みていく。 他方で、2015年度より、当研究の応用・実践の意図も含めた科目として、社会思想史演習AおよびBを新設した。ここでは学生自ら思想、マイ・カリキュラムを形成することと、プランということで、学校の授業案・単元案あるいは社会の未来像をデザインすることの支援をめざしている。当研究の知見と成果を活かしたり、学生たちの事例から学びとったりして、研究と演習科目の相乗効果もねらう。すでに授業案・単元案の作成をねらいとした初等生活科教育法、初等社会科教育法、および理想の教師像・学校像・学級像を書くことをねらいとした教職入門、教育課程・教育方法論(小)科目も実践してきており、それらとの関連でも、当研究を大学や学校の実践へと活用できる見通しと足掛かりを得たい。
|
Research Products
(4 results)