2013 Fiscal Year Research-status Report
デジタル画像相関法による皮膚裂傷の力学的発生条件の解明と傷害予測解析への応用
Project/Area Number |
25870247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
プラムディタ ジョナス 新潟大学, 自然科学系, 助教 (50615458)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 皮膚裂傷 / 傷害指標 / 力学的特性 / 皮膚模擬材料 / 一様二軸引張試験 / 大変形 |
Research Abstract |
近年,住宅内事故による皮膚裂傷が多く発生している.皮膚裂傷は軽度な傷害であるため,研究課題としてあまり注目されず,その発生メカニズムおよび力学的発生条件が明らかになっていないのは現状である.そこで,本研究では皮膚裂傷の力学的発生条件を実験的に解明し,皮膚裂傷の発生可能性を予測できる有限要素解析法を提案することを目的としている.平成25年度では,皮膚裂傷の力学的発生条件の調査および柔軟物のモデル化手法の開発を行い,以下の成果を得た. 1. ブタ皮膚の厚さ,表面水分率および引張特性の測定を行い,文献値との比較によりブタ皮膚とヒト皮膚はほぼ同様の特性を有していることを明らかにした.このことからブタ皮膚はヒト皮膚の代替材料として利用可能であることがわかった. 2. 皮膚裂傷を発生させる実験装置を新たに開発し,これを用いてブタ皮膚の押し切り試験を行い,裂傷の発生荷重を明らかにするとともに,加害物の先端曲率半径および皮膚の拘束条件の違いが裂傷の発生に及ぼす影響を明らかにした. 3. 裂傷時のひずみ分布を明らかにするために,連続画像に基づいたひずみ解析法を開発し,押し切り試験時の柔軟物(皮膚模擬材料)の変形解析に応用することにより,解析法の有用性を検証した. 4. 生体皮膚や皮膚模擬材料のような柔軟物の材料特性を有限要素モデルに導入するために,簡易な一様二軸引張試験治具を開発し,この治具を用いて皮膚模擬材料の一様二軸引張試験を行い,試験結果から同定した材料定数を用いることにより,有限要素法で皮膚模擬材料の力学的挙動を精度よく再現できることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画通りに皮膚裂傷を発生させる実験装置を完成させ,皮膚裂傷の発生荷重を調べることができた.また,生体皮膚の力学的特性を明らかにすることができ,次年度における有限要素解析に必要なデータを取得できた.しかし,ひずみ分布の解析では,ブレード(加害物)に隠れているため,ブレード直下領域のひずみ量を実験的に取得できなかった.有限要素解析と併用してブレード直下領域のひずみ量を取得し,遅れを取り戻す予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
ひずみ分布の解析結果より,ブレード直下領域におけるひずみ量の取得は困難であった.そこで,次年度では有限要素解析を活用し,ブレード直下領域のひずみ量を明らかにする予定である.また,当初の計画通りに皮膚裂傷の発生可能性を予測できる皮膚有限要素モデルを構築し,実験データを用いてその妥当性を検証する予定である.
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Research Products
(6 results)