2013 Fiscal Year Research-status Report
内耳内リンパ液カルシウム恒常性維持機構と聴覚機能障害に関する研究
Project/Area Number |
25870248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
任 書晃 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80644905)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 聴覚生理学 / カルシウム / イオン輸送 |
Research Abstract |
生動物における内耳蝸牛電気生理実験:小動物の内耳に確実に電極の挿入が困難であり、この成功確率を上げるするため、顕微鏡による内耳の観察が必要となった。そこで、研究費用を前倒しして、顕微鏡の購入をおこなった。これにより技術は飛躍的に改善し、内リンパ電位の測定が確実に行える環境が整った。 Ca2+電極による電気生理実験:応募者が過去に行ったイオン電極によるK+濃度の測定法を応用すれば、実現が可能であると考えた。しかし、Ca2+交換液を二連管ガラス電極に充填し、基準溶液での電位反応の妥当性を評価したが、理想的なCa2+の検量線が得られなかった。イオン電極の作成について、現在改良を行っているところである。 蝸牛内Ca2+動態に連関する蝸牛K+循環システムの理解:蝸牛Ca2+動態には、Ca2+チャネルの動態が欠かせない。また、そのチャネルの理解に関係して、K+動態の解明を押し進める必要がある。そこで、これまで明らかにされていなかった蝸牛らせん靭帯のK+動態への貢献を明らかにする方針をとった。顕微鏡の導入により改良された製動物実験をもとに、K+輸送分子の阻害剤を用いて、らせん靭帯におけるK+輸送分子の寄与の解明にあたっている。以前にNa+,K+ATPaseの貢献が明らかにされていたが、さらにNa+,K+,2Cl-共輸送体の貢献について、新知見が得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
応募者が過去に行ったイオン電極によるK+濃度の測定法を応用すれば、実現が可能であると考えた。しかし、Ca2+交換液を二連管ガラス電極に充填し、基準溶液での電位反応の妥当性を評価したが、理想的なCa2+の検量線が得られなかった。イオン電極の作成について、現在改良を行っているところである。 また、研究開始後の調査により、蝸牛らせん靭帯でのK+動態の理解が、Ca2+動態の理解に繋がることも想定された。そのため、現在はK+動態の理解を深め、その後再びCa2+に立ち返って研究を行いたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
らせん靭帯におけるK+輸送分子のK+動態への貢献について、現在研究成果が出て来ている。今後この結果が再現性のあるものであるかを明らかにするべく、実験を重ね、学会発表を行う。また、最終的に論文に纏める。
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Research Products
(2 results)