2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25870259
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
三宮 千佳 富山大学, 芸術文化学部, 講師 (10454125)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 美術史 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年に引き続き、中国の五胡十六国時代から北魏時代の小金銅仏の調査と結果の分析を中心に研究を進めた。国内は早稲田大学會津八一記念博物館、京都大学人文科学研究所、佐野美術館、浜松市美術館、泉屋博古館(京都)で行い、約30体の調査を行った。国内の調査は、それぞれの機関の学芸員、教員にアポイントをとり調査日を設定の上、作品の観察と撮影を行った。海外調査は、いずれもアメリカで、ワシントンD.C.のサックラー美術館、フリーア・ギャラリー、またニューヨークのメトロポリタン美術館にて約10体の調査を行った。ガラスケース越しに、観察と撮影を行った。 特に国内の12体の古式金銅仏の調査結果をもとにして、古式金銅仏がまとう大衣に鏨によって彫り出された衣文線の凹線に注目し、その接写した画像データをもとに、鏨の技法の特徴を検討した。線彫り(彫金)は金工作品の制作過程では仕上げの技法の一つであるが、中国・北魏時代の小金銅仏とも比較しながら、技法の変化について指摘した。その結果は、平成26年(2014)9月13日の国際シンポジウム「文化財の解析と保存への新しいアプローチⅪ」で「中国五胡十六国時代の古式金銅仏における鏨の技法について」と題して単独で研究発表し、また『奈良美術研究』16号(平成27年3月発行)にて同題の研究報告を掲載した。
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Research Products
(3 results)