2014 Fiscal Year Research-status Report
ネットワークモジュラリティ形成理論の確立とスマートグリッド設計への適用
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25870260
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
池本 有助 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 助教 (10377822)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 制御工学 / ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
ネットワークモジュラリティとは,モジュール内の密な繋がりとモジュール間の疎な繋がりを特徴とするネットワークの区画化度合いである.申請者は最近,コオロギにおける外敵からの逃避行動を数理モデル化するとともに,ノイズに対するロバスト性の向上が,制御ネットワークモジュラリティを上昇させることを,線形適応制御システムの枠組みで数理的解析を推進した,その成果が英文誌に採録された(Y. Ikemoto and K. Sekiyama, Modular network evolution under selection for robustness to noise, Physical Review E, Vol.89 No.4, 2014).そこでは,制御システムにおけるシステムマトリックスのモジュール構造の自発的獲得のための原理をロバスト制御の枠組みで論じ,数理的に証明した. 上記成果をもとに,制御ネットワークのモジュラリティ形成に関して,非線形システムに適用し,さらなる理論展開を進めている.また,制御ネットワーク形成原理を本申請研究の課題の一つであるスマードグリッド設計に適用するため,ミニマル電送網モデル構築を進めている.また,それのみならず,ロボット,とくに多脚移動ロボットの歩容パターン生成のためののsensor-motor間の制御ネットワーク設計にも着手し,本申請研究の波及的適用事例を探求している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ノイズに対するロバストネスと制御ネットワークモジュラリティ形成の関係に関して,線形理論の枠組みでは解析はなされたものの,非線形システムの適用に関して解析が遅れているため.
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Strategy for Future Research Activity |
【研究課題1】ノイズに対するロバスト性に基づいたネットワークモジュラリティ形成理論の確立: 申請者のこれまでの研究成果をもとに,まだ解析が進んでいない非線形制御システムにおけるモジュラリティ形成理論を構築する.非線形システムにおいて,ネットワークモジュラリティ形成を実現する擾乱(ノイズ・故障)の場所を特定し,それらの大きさ(分散値・頻度)との関係を数理的に明らかにする. 【研究課題2】不確定な電力供給を想定したモジュラリティ指向型送電ネットワーク設計手法の提案: 不確定な電力供給は制御システムへの外乱を含む入力とみなすことができる.発電電力供給を入力とし,ユーザーへの電力提供を出力としたスマートグリッド設計手法を提案する.
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Causes of Carryover |
当該研究が,当初の研究計画からやや遅れているため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の研究を推進するため,物品購入を速やかに行う.とくに,電子デバイスや実機製作のための機材を中心に前期での使用を計画している
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