2014 Fiscal Year Research-status Report
分子配向を利用したバイオミメティック・ファイバーの創成と組織構築への応用
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25870272
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
藤田 聡 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60504652)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナノファイバー / ゲル / コラーゲン / エレクトロスピニング / 高分子構造 / 三次元培養 / 造血幹細胞 / 高密度培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,3次元的な組織構築を可能としたナノファイバーをベースとした基材の基盤技術開発をめざし,以下の項目の研究をすすめている。 (1)ナノファイバー上でのペプチドの分子配向と自己組織化の実証 本項目では,コラーゲンを対象とし,ファイバー中のペプチドの分子配向と自己組織化を実証し,架橋なしでのナノファイバーの高強度化・不溶化をはかるべく,エレクトロスピニング法によるナノファイバー製造方法に着目した。当該年度では,エレクトロスピニング条件の詳細な検討を重ねることで,架橋なしで不溶性のコラーゲンゲルファイバーを作製する条件を確立した。作製したナノファイバーについてコラーゲン分子のゲル化状態ならびに分子配向について,解析をすすめている。 (2)生体組織を模倣した異方性の高い構造を模倣した新規な3次元ファイバー足場材料「バイオミメティック・ファイバー」の創製と機能評価 本項目では,厚みのある3次元配向性ナノファイバー足場材料による3次元培養技術を検討した。前年度に確立した共培養系を高密度培養デバイスに展開すべく,シート状のナノファイバーを積層可能な灌流型培養デバイスを考案,試作した。このデバイスは細胞の播種および回収が容易となるようその形状を工夫した。本デバイスでの培養可能な細胞数は,体積あたりの培地量で換算すると,従来のディッシュ上での培養と比較して,3倍以上と,高密度培養が可能であった。高密度化により培地供給が不足しないための灌流装置も同時に構築し,高密度培養システムを組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ナノファイバー中のペプチドの分子配向と自己組織化の実証においては,当初予定していた無架橋で不溶性のコラーゲンゲルファイバーの製造に成功した。この点をもって本項目は当初の目標を達成したが,特許出願による権利化をすすめるため,当初の予定を変更してさらに詳細に解析すべく研究期間を延長した。また「バイオミメティック・ファイバー」の創成と機能評価においては,骨髄類似の構造体を構築することに成功し,高密度培養が可能であることを示した。総合して,本研究は当初の計画以上に進行しているが,権利化の準備のために研究期間を延長した。
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Strategy for Future Research Activity |
ナノファイバー中の分子配向化技術について,詳細の解析をおこない,特許による権利化をおこなう。分子配向のメカニズムについて,高分子構造解析技術を用い,さらに進展させる。高密度培養についても,並行して実験をすすめ,骨髄類似構造体としての展開の可能性を検討し,権利化の可否についても検討する。
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Causes of Carryover |
特許出願のための試験検討のため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
特許出願にかかる試験検討の消耗品費用および学会発表にかかる旅費に充当する。
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Research Products
(6 results)