2013 Fiscal Year Research-status Report
麻酔薬の細胞膜を介したカリウムチャネル制御機構の解明
Project/Area Number |
25870274
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
松木 悠佳 福井大学, 医学部, 助教 (10464083)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脂質平面膜法 / KcsAカリウムチャネル / TFE |
Research Abstract |
1.麻酔薬類似物質を用いた脂質平面膜法によるカリウムチャネル電流記録と解析 私達の仮説を検証するにはカリウムチャネルの共通部分のみを持つチャネルを対象とする必要があり、この条件を満たすのがKcsAカリウムチャネルである。KcsAカリウムチャネルを大腸菌から、他の膜たんぱく質を取り除いてチャネルのみを精製した。脂質平面膜法を用いて、KcsAカリウムチャネルの電流を測定した。このチャネルが酸性のpHの時に開くという性質を用いて、10 mM HEPES (pH 7.5)と10 mM succinic acid (pH 4.0)をそれぞれの片側ずつチェンバーに入れ、その間に脂質二重膜で隔てた隔壁で分けた。それぞれの溶液には200 mM KClを含ませた。用いた脂質は、POPE:POPGが1:3の割合で入っている脂質を用いた。チャネルを1分子のみ埋め込み、電流を記録した。KcsAカリウムチャネルの野性型の電気生理学的特徴としては、pKaが3.82±0.11、Hill係数が2.31±0.66であった。開確率は、2%程度であり、現在数を増やし、解析中である。その後、麻酔薬類似物質であるTFEを用いて、濃度依存性に作用させた。濃度は1%から5%まで濃度を上昇させて、KcsAカリウムチャネルに作用させた。TFEの濃度依存性にKcsAカリウムチャネルの開確率が上昇した。詳しい数値については、現在データを解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
麻酔薬類似物質を用いた脂質平面膜法によるカリウムチャネル電流記録と解析が今年度の研究内容である。電流記録についてはほぼ終了しているが、現在解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、麻酔薬類似物質を用いたカリウムチャネルの蛍光記録と解析を行いたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定購入物品が安かったため。 消耗品の購入にあてる。
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