2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25870283
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
高橋 良輔 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (10371783)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 腐食ひびわれ / 圧縮鉄筋 / 変形性能 / FEM解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の実験において、腐食によるリブ損失が付着劣化与える影響が極めて小さいことが解り、今年度の計画である終局変位の簡易評価式の構築が困難となった。そこで、研究目的である鉄筋腐食構造物の耐震性能評価のもと、計画を一部変更した。 地震荷重下では圧縮域のかぶり剥落と主筋座屈が最大荷重を決定し、コアコンクリートの破壊がその後の荷重低下性状を決定する。そこで、圧縮側鉄筋の腐食ひび割れが最大荷重と最大荷重時変位に与える影響の解明を行った。 研究代表者は過去の実験で、圧縮側の腐食ひび割れがせん断圧縮破壊挙動に影響を及ぼすことを示している。 FEM解析における腐食ひび割れのモデル化方法をこの実験で検討し、そのモデルで圧縮側腐食ひび割れの曲げ破壊挙動解析を行った。開発したひび割れモデルではせん断耐力と最大荷重時変位が減少し、実験でのひび割れによるせん断耐力上昇は上手く評価できず、このひび割れモデルによる圧縮鉄筋が腐食したはりの曲げ破壊解析も曲げ耐力と最大荷重時変位が減少する結果となった。 圧縮鉄筋が腐食したはりの曲げ破壊実験を実施したところ、かぶりに対して鉄筋径が大きい場合は、終局変位のみが大幅に減少することがわかった。また、破壊性状から、この原因は腐食ひび割れが鉄筋の拘束を弱め、鉄筋座屈が早まったためであることがわかった。従って、かぶりに対して鉄筋径が大きい場合に、圧縮側腐食ひび割れにより変形性能が低下することが考えられる。一方、実験でのひび割れの影響メカニズムは解析と異なるため、腐食ひび割れによる拘束力減少を考慮した座屈モデルを導入し、正確に評価可能な解析手法の開発が必要である。 また、引張側主鉄筋が腐食したRCはりの片振り繰返し載荷試験も行い、試験結果は片押しの場合と変わらず、繰返し挙動に対する引張側腐食の影響は極めて小さいことを確認した。
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