2015 Fiscal Year Annual Research Report
非標準アミノ酸を利用した光開閉制御可能なバイオ・ナノカプセルの開発
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25870291
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
大野 敏 岐阜大学, 工学部, 助教 (10345796)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | タンパク質 / 非標準アミノ酸 / ナノカプセル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、ジスルフィド結合を利用したルマジン合成酵素への分子間架橋の導入を進めた。複数の大腸菌株を用い発現し、ジスルフィド結合の形成の有無を電気泳動により確認した。その結果、複数分子が結合したと思われる分子量相当にタンパク質バンドが検出されたことから、設計通り、ジスルフィド結合が形成されたことが確認された。また、このルマジン合成酵素システイン変異体を透過型電子顕微鏡により観察したところ、変異前と同様に粒子形成が確認できた。 このルマジン合成酵素変異体から成るカプセルへの内包タグを融合した赤色蛍光タンパク質との共発現を行った。ルマジン合成酵素変異体に融合した精製を容易にするためのタグを利用し精製を行ったところ、ルマジン合成酵素変異体回収画分に赤色蛍光が確認され、赤色蛍光タンパク質のカプセルへの内包が示唆された。 これと並行し、光異性化する非標準アミノ酸のタンパク質への導入に向け、アゾベンジルフェニルアラニンを基質とする酵素の選別を行った。選別された酵素変異体を用い、カルモジュリンをモデルタンパク質とし、非標準アミノ酸の導入評価を行った。その結果、部位特異的導入は確認することができたが、アゾベンジルフェニルアラニンを含むカルモジュリンの発現量が少なかった。そのため、アゾベンジルフェニルアラニンを含むルマジン合成酵素変異体の評価をするまでには至らなかった。 本研究では、ルマジン合成酵素変異体成るバイオ・ナノカプセルの調製と、タンパク質の内包を試みた。その際、特定部位にアジドチロシンを導入したルマジン合成酵素変異体を調製し、光架橋により分子架橋を導入することでカプセル形成能の向上が見られ、この結果をもとにジスルフィド結合による分子間架橋を導入したルマジン合成酵素変異体成るバイオ・ナノカプセルの調製に至った。また蛍光タンパク質を用いカプセルへの内包が可能であることを確認した。
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