2013 Fiscal Year Research-status Report
汎用的技能としてのクリティカルシンキング標準テスト開発のための基礎的研究
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25870318
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
久保田 祐歌 愛知教育大学, 教育創造開発機構大学教育研究センター, 研究員 (70527655)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | クリティカルシンキング / 汎用的技能 / 標準テスト |
Research Abstract |
初年度として、汎用的技能としてのクリティカルシンキング標準テスト開発の基盤となる、次の三つの調査研究を行った。(1)クリティカルシンキングを教育目標に据えて顕著な実践を行う国内外の大学の教育課程、学習成果の測定方法に関する文献調査を行うと共に、クリティカルシンキングの育成を目標とする授業を見学調査した。(2)クリティカルシンキングを測定する国内外の標準テスト及び育成教材を収集し分析を進め、学習成果としてのクリティカルシンキングの測定方法に関する文献調査を行い、クリティカルシンキングの測定を目的とした標準テストにおいて、どのようにクリティカルシンキングが定義され、どのような問題の出題によって、学生のスキルが測定されているかを検討した。さらに、標準テストとは異なるクリティカルシンキングの評価方法(ルーブリック等)に関しても文献調査等を行い、クリティカルシンキング能力測定における標準テストの位置づけを整理した。(3)授業内容とは異なる文脈で問題が出される標準テストと、授業での学修内容に基づく定期テスト、学生に自分自身のクリティカルシンキングの傾向性を判断させる自己評価アンケートの結果が相関しうるのかを検討するために、試行的調査を行った。クリティカルシンキングを教育目標とする授業で、既存の外部標準テストとクリティカルシンキングの自己評価を受講学生を対象として実施し、これら二つの結果データと学生の成績評価との相関を分析した。以上の三つの調査研究は、授業改善およびカリキュラム改善につながりうるクリティカルシンキングの標準テストを開発するために欠かせないものである。これらの成果は、学会等において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国外の既存の標準テストのいくつかを比較・検討した結果、クリティカルシンキング測定の基準となる項目は絞られつつあるが、日本の大学生を受験者とする場合に考慮すべき点を再度検討する必要が生じたため、標準テストのパイロット版の開発が予定よりも遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
標準テストのパイロット版作成を目指して、国外で開発された複数の標準テストの和訳を行い、試行的テストの実施に向けて、問題事例等の検討・修正を行う。また、国内外の先行研究の調査に基づき、授業改善およびカリキュラム改善を目的として、クリティカルシンキングの標準テストを用いる際の活用方法および問題点をまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
日本国内で販売されている一般的な思考力を測定するための標準テストを複数のクラスで実施する予定であったが、当初の予定よりも実施クラスが少なくなった上に、各クラスの受験者数も見込みよりも減少するという結果となったことに加えて、国外の各種クリティカルシンキング標準テストの購入が当初の予定よりも遅れ、未購入のものがあるため。 国外のクリティカルシンキングの標準テストおよび必要文献等を購入するための物品費として使用する。また、顕著な取組を行う大学への訪問調査および情報収集、試行的テスト実施の協力者との打ち合わせ、成果発表のための学会参加等の旅費として用いる。その他、試行的テスト結果データの統計的解析等、標準テスト開発研究のために必要な作業を行う研究協力者への謝金として使用する。
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Research Products
(3 results)