2013 Fiscal Year Research-status Report
キラルホスフィンライブラリーを活用した新規第四級ホスホニウム塩触媒の創製
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25870335
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
白川 誠司 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60459865)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | キラル第四級ホスホニウム塩 / 相間移動触媒 / 不斉合成 / 二官能性触媒 / 触媒ライブラリー / アミド / 水素結合 |
Research Abstract |
不斉相間移動反応は、水溶液中、温和な条件下で実施可能な工業化に適した反応系として注目を集め、本反応系のための様々なキラル第四級アンモニウム塩触媒が開発されてきた。一方、キラル第四級ホスホニウム塩を相間移動触媒とした不斉合成反応の例は非常に限られていた。この原因の一つとして、第四級ホスホニウム塩の強塩基性相間移動条件下での不安定さが挙げられる。そこで近年我々が見出した、中性条件下で進行する新たな相間移動反応系へホスホニウム塩触媒を適用すれば、触媒の分解は問題にならないと考え、中性相間移動条件下で有効に機能するキラルホスホニウム塩触媒の開発に取り組んだ。この際、様々な構造を有するキラル触媒ライブラリを効率的に構築するため、市販のキラルホスフィン化合物を触媒前駆体として利用した。これにより、効率的な触媒探索が可能になり、本法を利用する事で、中性相間移動条件下で効果的に機能する新規触媒の開発を達成することができた。本触媒は非常に高い活性を示し、基質に対しわずか1/1000等量の触媒を用いるのみで反応を効率的に促進した。また、本触媒デザインを基に、水素結合供与基として、アミド部位を有する新規二官能性キラル第四級ホスホニウム塩触媒の創成に取り組んだ。アミド部位の、電子的および立体的環境をファインチューニングすることで、様々な不斉反応に適用可能な新規二官能性キラル第四級ホスホニウム塩触媒の創製を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、市販のキラルホスフィン化合物を触媒前駆体として利用することで、効率的な触媒探索の方法論を確立し、非常に効果的に機能する新規触媒の開発を達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の研究は、当初の計画通り順調に進んでいるため、本年度も当初の計画通り研究を進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、既に所有していた試薬、器具および分析機器の使用で、研究を遂行することができたため、予定よりも少ない予算の中で、順調に研究を推進することができた。 平成25年度に得た研究成果をさらに発展させるため、器具や分析機器をさらに充実させ、研究を強力に推進する。また、これまでに得られた研究成果を国内外の学会で発表する予定である。
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Research Products
(6 results)