2014 Fiscal Year Annual Research Report
環境条件を考慮した屋根材の凍結融解による劣化モデルの構築
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25870351
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
伊庭 千恵美 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10462342)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | 凍結融解 / 屋根材 / 環境条件 / 解析モデル / 劣化性状 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
建築物の屋根材の劣化の一種である凍害は、製造技術が進歩した現在においてもしばしば生じている。本研究では、屋根材の凍害を抑制するための基礎情報として、実際の使用環境下での材料の破壊形態を明らかにし、日射や夜間放射、降雨等の気象要素、屋根勾配や構法等の環境条件を考慮した凍結劣化の解析モデルを構築することを目的として検討を行った。
1) 温暖地（京都、奈良、滋賀）、寒冷地（石川）での住宅屋根の目視調査と、京都市内の塀瓦における定期的な詳細調査を行い、温度や日射等の環境条件が劣化に与える影響について整理した。特に塀瓦では瓦内部の水分が早朝に凍結し破壊にいたる様子を確認でき、温度測定と雨や雪、結露状況の観察結果を加え、剥離やひび割れに至るメカニズムを推定した。
2) 材料・形状の異なる屋根材を用いたモックアップ試験体を作成し、実環境下での屋根周りの温湿度、屋根面での雨水流れや雪の付着の様子を観察し、解析の基礎情報となるデータを蓄積した。特に、解析時の境界条件として重要となる瓦裏面空気層の温湿度を予測するモデルを作成し、測定結果と合わせて瓦の重ね部分を通した空気の移動量を推定した。さらに、屋根材の重ね部分の濡れ頻度と降雨、結露の関係を明らかにした。
3) 実地調査で軽微な劣化が確認された瓦を用いて、実際の施工方法を模擬した凍結融解実験を行い、調査で観察された劣化性状を再現することができた。この実験条件を基にシミュレーションを行い、解析で得られた含氷率分布と実験で得られた劣化性状の対応を検討した。解析により、葺き土がある場合にはその熱容量により瓦の温度が低下しにくいこと、葺き土に触れない軒のような部分では瓦の冷却が進み、内部に氷が蓄積して大きな欠けが生じやすくなることなどを明らかにした。
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