2014 Fiscal Year Research-status Report
細胞質因子検出 RNA 回路による細胞分画法の開発
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25870355
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
遠藤 慧 東京大学, 新領域創成科学研究科, 助教 (40626074)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 細胞分画 / miRNA / mRNA / 再生医療 / 合成生物学 / 遺伝子回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、細胞内の情報としてマイクロRNAの活性を基準として、その活性の微小な差に基づいて細胞を分画する技術を開発してきた。本年度は iPS 細胞と iPS 細胞から分化させた心筋細胞とを分画することに注目した研究を共同で実施し、その成果をまとめた研究論文が受理された。本研究課題の成果は、再生医療など細胞を生きたまま分離することを必要とする分野で特に有用であることが示された。 また細胞に導入したmRNAが細胞内の情報を検知するだけでなく、その情報に応じてmRNAからの翻訳を制御するRNA結合タンパク質を発現することにより、合成mRNAを細胞に導入しても成立する遺伝子回路を構築することにも成功している。この成果は、米国の研究グループとの共同研究の一部として、RNA結合タンパク質とRNA分子に着目し、その細胞導入によって転写制御と同様の機能性をもつ遺伝子回路を達成した先駆的な研究論文として世界的にきわめて評価の高い論文誌に受理されるに至った。 さらに、本年度の研究の進展により、1つの mRNA 上でRNA回路を実行する技術の開発にも成功した。これまでの研究で開発してきた技術は1種類のマイクロRNA活性を1種類のmRNAで検出しており、情報とプローブは1対1に対応していた。外部から導入された合成mRNAによって検出される細胞内のマイクロRNAの活性を数理モデル化することにより、細胞内の複数のマイクロRNA活性情報を線形計算によって1つの信号に変換するRNA回路を、ひとつのmRNA上で実行できることを発見した。これにより個々の細胞の内部にある少数のマイクロRNA情報でなく、多数のマイクロRNA情報のプロファイルに基づいた細胞分画が可能となり、目的とする細胞をより精密、より高効率に生きたまま分画することが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の研究成果の一部は、他の研究グループとの共同研究の結果、国際的に評価の高いトップジャーナルに2報の研究論文として受理されるに至った。さらに、当初は複数のmRNAを用いてRNA回路を構築することを目指した本計画の期待を超えて、1分子のmRNA上でも数理計算を実行できる回路の設計にも成功している。これらのことから、本研究課題は当初の研究計画以上に進展したと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに当初の研究計画以上に研究開発が進展し、本研究課題で目的としていた技術開発の基本原理は完成している。今後は未発表の研究成果を公表するために、これまでの研究成果の再確認を行うとともに、様々な方向からその妥当性を検証することを重視する。まず第一に微小な差に基づいて細胞を分画する基盤技術の開発について研究成果を論文として公表することを急ぐ。次いで細胞内の複数のマイクロRNA活性に対して線形計算を実行して検出するmRNAの設計原理の発見についても研究成果を論文として公表することを目指す。
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Causes of Carryover |
本研究計画は当初の期待以上に進展したため、本年度は本研究課題の研究成果を論文発表することに大きな労力を充てることとなった。論文発表には、新しい研究を展開することよりも、それまでに得られた研究成果の再確認が重視されるため、新しい研究材料の購入費用が比較的に低く抑えられる結果となった。 また本年度の途中で申請者は京都大学から東京大学に異動となった。異動に際して研究活動をごく一次的に停滞させざるをえなかったこと、また新しい研究環境への対応に時間を要したことも次年度使用額が生じた理由の一部としてあげられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究計画は申請者が前職にあるときの研究環境を想定していたため、現在の研究環境では購入する必要がなくなった研究材料がある一方で、前職の研究環境に依存していた研究材料も少なからずある。今後の研究活動をより効率よく進展させるため、また当初の計画に応じて研究を遂行するため、次年度使用額は異動に伴って不足した研究材料の調達に充てることを計画している。
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[Journal Article] Efficient detection and purification of cell populations by synthetic microRNA switches.2015
Author(s)
Miki, K.†, Endo, K.†, Takahahshi, S., Funakoshi, S., Takei, I., Katayama, S., Toyoda, T., Kotaka, M., Takaki, T., Umeda, M., Okubo, C., Nishikawa, M, Oishi, A., Narita, M, Miyashita, I., Asano, K., Hayashi, K., Osafune, K., Yamanaka, S., Saito, H., Yoshida, Y.
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Journal Title
Cell Stem Cell
Volume: 印刷中
Pages: -
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Mammalian synthetic circuits with RNA binding proteins for RNA-only delivery.2015
Author(s)
Wroblewska, L., Kitada, T.†, Endo, K.†, Siciliano, V., Elizabeth, B., Saito, H. and Weiss, R.
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Journal Title
Nature Biotechnology
Volume: 印刷中
Pages: -
Peer Reviewed