2013 Fiscal Year Research-status Report
世界の脱物質化社会構築に向けた基礎物質ストック・フロー推計に関する研究
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25870361
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河瀬 玲奈 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90378852)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 物質収支アプローチ / 環境政策 / 物質ストック / 物質需要 |
Research Abstract |
本年度は、研究計画に沿って、以下の研究を実施した。 基礎物質フロー・ストックモデルのうち、サービス需要推計モジュール、物質ストック推計モジュールおよび物質産業連関モジュールを構築した。 1)サービス需要推計モジュールは、基礎物質を主要な成分とする財が提供するサービスと社会経済マクロ指標との係わりをモデル化した。2)物質ストック推計モジュールは、サービス需要推計モジュールの出力をインプットとし、サービス需要を満たすために必要となる財ストック需要量と現存する財ストック量との関係から、財ストックの動態式により財需要量を算出し、財生産量及びその生産に要する基礎物質の需要量を推計した。3)物質産業連関モジュールは、財や基礎物質の生産に関わる国内での物質フローを原材料の採取、一次製品から最終製品までの一連の製造過程、財生産への投入・蓄積、製造過程やストック減耗由来の廃棄物発生と再生利用及びそれぞれの段階での輸出入の流れを、投入産出関数、投資関数などにて網羅的に記述した。出力は、基礎物質フロー勘定表、及び、基礎物質ストック勘定表にて表した。 また、物質産業連関モジュール構築したモジュールを利用し、世界を集約した35地域について、過去100年程度からの鉄鋼フローとストックを推計し、基準年とする2005年の地地域別財別物質ストック量を推計した。さらに、2005~2050年までの鉄鋼需要量を、いくつかのシナリオのもとで推計した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度当初の研究計画と若干の相違はあるものの、ほぼ研究計画通りに進捗している。 初年度では、貿易モジュールの構築を行う予定であったがこれは行っておらず、H26年度の予定となっていた各地域の地域内需要の将来推計を先に行った。これはH25年度に構築したモジュールの頑健性を高めるためである。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度は、25年度予定となっていた貿易モジュールの構築を行う。基礎物質フロー・ストックモデルを基礎物質を対象に、2005~2050年に適用する。H25年度に試算は行っているが、よりさまざまな対策を考慮したシナリオにて推計を行い、2050年までの世界における脱物質化社会像、低炭素社会像を量的描写を行う予定である。
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Research Products
(2 results)