2013 Fiscal Year Research-status Report
高エネルギー中性子による核種生成断面積の系統的測定と核種生成反応に関する研究
Project/Area Number |
25870367
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
八島 浩 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (40378972)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高エネルギー中性子 / 放射化断面積 / 核破砕反応 |
Research Abstract |
平成25年度にはモンテカルロコードPHITSによる核種生成断面積の計算を行い、この結果と以前に行った389MeV陽子を用いたp-Li準単色中性子入射によるBi, Coの核種生成断面積の結果の比較を行った。PHITSコードによる計算値は全体的に実験値より低くなる傾向が見られた。この成果を2013年6月3日から7日にエクスアンプロヴァンスで開催されたNEUDOS12(12th Neutron and Ion Dosimetry Symposium)にて発表した。また、大阪大学核物理研究センター(RCNP)において140MeV陽子を用いたp-Li準単色中性子によるBi, Coサンプルへの照射実験を行い、放射性核種の測定を行った。140MeV陽子を厚さ1cmのLiターゲットに照射し、0度方向に放出された中性子のエネルギースペクトルをLiターゲットから約18.5m下流に設置した有機液体シンチレータで測定した。中性子エネルギースペクトルの測定後、Liターゲットから約8m下流にBi, Coサンプルを設置し平均ビーム電流約1μAで照射を行った。低エネルギー中性子の寄与を補正するために25度方向についても0度同様に中性子エネルギースペクトルの測定及びBi, Coサンプルへの中性子照射を行った。照射したサンプルに生成した放射性核種から放出されるガンマ線のエネルギースペクトルを高純度Ge検出器を用いて生成核種の半減期に合わせて繰り返し測定している。また、ワークステーションを購入し、PHITSコードによる核種生成断面積の計算環境を整備した。現在、測定データの解析および長半減期生成核種の測定及び核種生成断面積の計算を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に計画していた140MeV陽子を用いたp-Li準単色中性子によるBi, Coサンプルへの照射実験を行うことができ、ワークステーションの購入によってPHITSコードを用いた核種生成断面積の計算環境を整備できたこと、またPHITSコードを用いた核種生成断面積の計算結果をNEUDOS12(12th Neutron and Ion Dosimetry Symposium)で発表できたことから本研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は140MeV陽子入射を用いたp-Li準単色中性子によるBi, Coサンプルへの照射実験の解析及びPHITSコードによるベンチマーク計算を進めるとともに90MeV陽子を用いたp-Li準単色中性子によるBi, Coサンプルへの照射実験を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度には140MeV陽子を用いたp-Li準単色中性子によるBi, Coサンプルへの照射実験関係の消耗品についての予算を計上していた。しかし、照射実験を行った際に既存の在庫を用いることで消耗品を購入することなく実験が遂行でき、予算を節約できたため。 平成26年度に行う予定の90MeV陽子を用いたp-Li準単色中性子によるBi, Coサンプルへの照射実験関係の消耗品購入及びGe検出器を用いた照射サンプル測定、解析環境の整備に充てる。
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