2014 Fiscal Year Research-status Report
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25870413
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮澤 清太 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (10377905)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | パターン形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、細胞間コミュニケーションの可能なプロトコルの1つとして細胞の膜電位変動に着目し、その検出・制御を通じて、これら細胞の「つぶやき」とパターン形成過程との関わりを明らかにすることを目的としている。細胞集団中の個々の細胞の静止膜電位を網羅的に計測・可視化する技術を確立し、発生・再生過程における膜電位パターンの遷移を観察するため、本年度は昨年度に引き続き、以下の項目について研究を進めた。1) 膜電位感受性蛍光プローブを色素細胞特異的あるいは全身性に発現するトランスジェニックゼブラフィッシュの作製。2) 細胞膜電位を脱分極方向へシフトさせる効果をもつと推定される複数の遺伝子について、色素細胞特異的な発現を誘導するトランスジェニックゼブラフィッシュの作製。3) 光刺激により細胞膜電位の脱分極方向もしくは過分極方向へのシフトを誘導し得るチャネル遺伝子を導入したトランスジェニックゼブラフィッシュの作成。4) これらのトランスジェニックゼブラフィッシュを用いた、ストライプ模様パターン形成過程における細胞膜電位パターンの遷移様態の観察の試行、および、成長に伴うストライプ模様パターン形成過程の観察を通じた、各因子の模様パターン形成に与える影響についての検討。これらのうち、膜電位感受性蛍光プローブを用いた膜電位パターンの観察に関しては、細胞におけるプローブの発現量について昨年度に比べある程度の改善が見込まれたものの、依然としてシグナルの検出が容易でなく、やや難航している。また、膜電位シフト操作の試みについては、模様パターンに変化が生じた遺伝子導入個体がいくつか認められているが、パターン形成過程への具体的な効果については今後の検討を要する状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
膜電位感受性蛍光プローブによる細胞膜電位パターンの可視化について、遺伝子導入個体でのプローブ発現量について昨年度に比べ一定程度の改善は見込まれたものの、依然として望ましいシグナル強度は得られておらず、やや難航している。細胞膜電位をシフトさせることでパターン形成に影響をもたらすような因子の探索について、当初予想していた過分極(抑制)方向へのシフト操作によるパターン形成制御に関しては著しい効果はこれまで確認できておらず、総じて当初計画からはやや遅れていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞膜電位パターンの可視化について、シグナル強度の問題を解決するため、プローブの発現効率をより向上させる方策を引き続き検討中である。また、膜電位の人為的なシフト操作について、より広範な候補因子を対象とした探索を行う他、外部刺激による操作を含め、検討を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
膜電位パターンの可視化および膜電位シフト操作実験の双方とも当初計画からの遅れが生じているため大規模な実験系への移行段階まで到達しておらず、このため解析に関連する研究費の次年度への繰り越しが生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度実施予定であった解析等を次年度に繰り越して行う他は申請当初の使用計画に沿って実施していく予定である。
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