2014 Fiscal Year Research-status Report
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25870417
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
久保田 裕之 日本大学, 文理学部, 准教授 (40585808)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ホームシェア / 居住福祉 / 高齢者の孤立 / 若者の貧困 / 世代間交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
二年目である平成26年度は、1)国内のホームシェア事業者への聞き取り調査を行うことでホームシェア事業が直面する困難のうち日本社会に特有のものを抽出すると同時に、2)欧州調査から得られた知見と併せて国内の学会等で研究成果を発表して意見交換と情報収集をなった。具体的には、欧州と日本のホームシェア事業を比較すると、ホームシェア用の住宅を提供する高齢者側の応募が少ないためにマッチングに困難を抱えている点では共通しているが、格安で住居を得られるはずの学生側の応募が極端に少ないことは日本のホームシェアの特徴であることを明らかにした。また、高齢者側でも、既に離家した子どもの部屋を手つかずのまま保存しようとする「終わらない親役割」の問題が、ホームシェアを含む戸建て空き家活用の妨げになっていることなどを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度9月に予定していた欧州での追跡調査が再度先方の都合で延期になったことで、1)25年度欧州調査では十分にヒアリングできなかった点を確認する作業と、2)日本との比較から得られた知見を現場に投げ返して意見交換を行うという作業が滞っており、研究は全体としてやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の延長申請が承認されたため、平成27年度11月にオーストラリアメルボルンで開催されるホームシェア世界会議に参加することで、1)先方の都合で延期になっていた欧州での追跡調査に替えて、世界中から集まるホームシェア事業者へのヒアリングを行うとともに、2)日本のホームシェア事業の状況を会議で報告して意見交換を行う予定である。こうした成果を踏まえて、3)平成27年度3月に、世界のホームシェア広がりと日本のホームシェアの現状に関する編著を出版する予定である。
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Causes of Carryover |
平成25年7月のホームシェア世界会議での成果を受けて、平成年度9月に延期していた欧州での追跡調査の実施が難しくなったため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度11月に2年に一度のホームシェア世界会議がメルボルン(オーストラリア)で開催され、EUのホームシェア事業者も一同に介することになっている。そのため、1)世界会議に参加して日本のホームシェア事業の状況を報告して意見交換を行い、2)延期していた欧州での追跡調査に替えてEUのみならず世界から集まるのホームシェア事業者へのヒアリングを行うとともに、3)オセアニア地域のホームシェア調査を行う。未使用額は、このための国外旅費に充てる予定である。
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