2015 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症時の好中球細胞外トラップとアポトーシス抑制の性差についての検討
Project/Area Number |
25870422
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石川 倫子 神戸大学, 保健学研究科, 研究員 (40566121)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | NETs / 敗血症 / 患者検体 / アポトーシス / 好中球 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は患者検体について、NETs形成を確認した。培養時間は2時間以下ではNETs形成が不十分と考えられる場合があり、アポトーシスも非常に少なかった。アポトーシスは経時的に増加する傾向があり、短い時間での検討よりも20時間程度の培養の方がアポトーシス細胞が多く検出されたが、このときNETs形成は見られるものの、アポトーシスを含む死細胞が多い検体に関してはNETs形成も多い傾向にあった。また、培養時間を長くした場合、敗血症患者検体においても、コントロールである非敗血症患者検体、健常人検体においてもNETs形成が増加しており、病態に関係したNETs形成ではなく、培養中の死細胞に対してNETs形成が起こっている可能性があった。以上より、培養時間を4時間と決定し、敗血症患者検体についてNETs形成とアポトーシス形成、病態との関係を検討した。健常人好中球を用いた場合、4時間後のNETs形成は30 μm2程度であったが、敗血症患者では約360 μm2、重症敗血症で95 μm2、敗血症性ショックで10 μm2程度となった。しかし、いずれもn数が少なく、性差を確認することは出来なかった。アポトーシスに関しては、健常人では4時間の培養で約30-80%程度のアポトーシスを確認でき、平均値では60%程度であったが、患者検体ではいずれの病態においてもアポトーシスは40%以下であり、平均値では20%程度であった。しかし、NETs形成が多かった検体において特別アポトーシスが多いというようなことは無く、敗血症病態では健常人に比べ、アポトーシスは抑制され、NETs形成は増加している可能性が考えられた。敗血症性ショックにおけるNETs形成が非常に少なかったが、個々の詳細な患者病態や治療による影響などを検討する必要があると考えている。
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Research Products
(2 results)